男がゆっくりと上着を脱いでいる
少年はどこか虚ろな瞳でその光景を眺めていた
ここは前橋にあるビジネスホテルである
よくあるホテルの一室
そこで今,少年は男に抱かれようとしている
きっかけは何であったであろうか
男は教えてやると言った
少年は教えてほしいと願った
この年頃の少年にとって興味の対象であるセックス
少年は経験がないの恥ずかしく思っていた
男はそこにつけこむ
教えて欲しいんだろう
男の声が少年を誘惑する
そして少年はその罠に落ちた
高橋啓介,誰もが賞賛し羨望するその男は何故か拓海を抱いてくれるらしい
藤原拓海,最近話題の走り屋で高橋啓介を破った少年
二人は今ホテルにいる
「緊張しなくていいぜ,遊びなんだからよ」
啓介の声にますます緊張する拓海
いつも憧れていたその人が今,目の前にいる
しかも,拓海を性欲の対象として見ている
ズボンの前の盛り上がりが男を感じさせた
知らずに顔を染める拓海に啓介は低く笑う
「脱げよ,時間ないんだからさ」
恥ずかしくていたたれない
これからの行為が何故か現実として感じられない
夢でも見ているのではないだろうか
あの高橋啓介が自分を抱いてくれるだなんて
拓海をこの走りの世界に引き摺りこんだ男
初めて会ったときからその個性に憧れた
感情を現にして貪欲なまでに前向きな啓介に拓海は憧れていたからたとえそれが遊びだったとしても嬉しい
初めては啓介さんとしたかった
「啓介さん」
その後の好きだという言葉を飲み込んで,拓海は啓介に体を開いた
っていう啓拓もありかなっと思ったのですがすいませ−ん,へたりました