テ−マ2 アニマル柄


「だからなんでこれなんですか−?」
 ダブルエ−スの片割れ,藤原拓海の悲痛な叫びが遠征先の峠に木精した
「なんでだよ,可愛いじゃんか」
そういうのはダブルエ−スの相方,高橋啓介
「似合っているよ,拓海」
微笑みながら誉めてくるのはチ−ムオ−ナ−の高橋涼介 
だがどんなに誉められても煽てられても拓海は納得がいかなかった
「いいですよね,啓介さんも涼介さんもそんなに格好いい服で」
 顔のいい奴は何を着ても似合う
というか着こなしてしまうのだ

 兄の着ているのは黒のスエ−ド皮のつなぎ
これがまた黒豹のようで涼介によく似合っている

 弟の着ているのは豹柄の皮パン
タンクトップのシャツ一枚に個性的なそのスタイルはまるで獲物を狙うチ−タ−

「で,なんで俺だけこれなんですか−」
拓海は怒鳴りながら目の前の服を握り締めた
そう,懸命な読者の皆様ならばもうお分かりだろう
拓海のために涼介が作ったバトル服
それは着ぐるみのパンダ服なのだ
 何故っなにゆえに俺だけが着ぐるみなのか?
しかもパンダ?
怒りと屈辱に拓海は打ち震える
「拓海,何事も勝利のためだぜ,我慢しろよ」
啓介が拓海に着替えを促した
「そうだよ,拓海のために俺が3日3晩徹夜したんだからね」
涼介にそれを言われると辛い
戸惑う拓海だがこの服の着方さえ分からない
「これはね,背中にジッパ−がついているんだ,一人では着られないだろうから手伝ってあげるよ」
爽やかな笑顔で拓海ににじり寄ってくる涼介は獲物を狙う狩人の眼をしていた
「おっ俺も手伝ってやるよっ拓海,さあ,服脱げよ」
はあはあ,息を荒くしながらにじり寄ってくる啓介の眼は血走っていた
さあさあっ抵抗もむなしく拓海は峠の試着室へと連れ込まれる
「いやあ−っパンダはいや−っ」
峠に拓海の悲鳴がむなしく響いた


 それを聞いて心踊らせるギャラリ−達 
「可愛いだろうな,拓海ちゃんのパンダ姿」
「俺,バトルの最初から全部コレクションしているんだよな,拓海ちゃんのコスプレ」

 プロジェクトDはその趣旨から若干ずれながらも順調に成果を上げていたのであった