[月光の囁き]
 

 プロジェクトDの遠征は順調に進んでいた
涼介の指導により啓介も拓海も大きく成長している
「拓海,このダウンヒルのレクチャ−をするから,ナビに乗りなさい」
涼介は必ずバトルの前に拓海をFCの助手席に座らせてレクチャ−していた
 びくりっ
涼介に声をかけられて拓海の身体が揺れる
戸惑っている拓海に再度涼介が声をかけた
「どうしたんだ,時間がないからね,早くして」
どこか怯えたように拓海は一歩を踏み出せないでいると後ろから啓介の声がした
「いいよな−っ兄貴直々に教えてもらえるなんてさ,俺の時なんかほったらかしだぜ」
「仕方ないだろう,拓海はまだバトルの駆け引きには素人同然なんだ」
涼介がそっと拓海の肩に手をかけた
「さあ,乗りなさい,拓海」
それに抗うことが出来ず拓海は俯いて唇を噛み締めた

「いやっやだっ涼介さん」
峠の中腹,人気のない所でFCは止まる
拓海の腰に手を回し口付けようとしてきた涼介に拓海は抵抗をした
「何故?いつもしていることじゃないか,それとも恥ずかしがっているのかな」
「いやなんです,もうこんな事は」
拓海が言葉を続けるよりも先に涼介はその唇を塞いだ
 くちゅくちゅと舌の絡み合う音がFCの中に響く
毎回レクチャ−だといって車の中に連れ込まれる
逆らえないように網を張って涼介は拓海をがんじがらめにした
人のいるところであまり断るのも不審をかってしまうので拓海はFCに乗らざるおえない
「拓海は嘘つきだね,でもそんなところが可愛いよ」
涼介の手が怪しい動きを始めた
「やっやだぁっこんなのやだ」
「何故?拓海は喜んでいるじゃないか,初めての時から拓海は感じてくれていただろう」
かっと拓海の頬が羞恥に染まった
「あれはっ涼介さんが強引に」
「俺が強姦したとでも?拓海はとても感じてくれただろう,あれは合意の行為なんだよ」
「違うっそんな事ないっ俺は嫌だった」
「まだ自分で気がついていないだけなんだ,でも身体は正直だからこんなにも喜んでいる」
ぐっとジ−ンズの前に力を込められて拓海の首筋がのけ反った
「あっああんっ涼介さん」
「強姦だったとしたらどうしてここをこんな風にしているの?あれはお互い合意だったんだからね」
「ちがうっちがう」
泣きそうな顔をして拓海は首をふる
 あれは強姦だったのだと
自分の意志は無視されたのだと
そして今も無視されているのだと涼介に訴えかける
「拓海は気がついていないだけなんだ,本当は俺の事が大好きなんだよ,俺を愛しているんだ」
拓海の訴えは涼介には届かない
「時間があまりないからね,愛してあげるよ,拓海」
涼介が淫靡に微笑むと拓海の上に覆い被さってきた

 プロジェクトに参加することを伝えるために拓海は涼介のマンションに来ていた
詳しい説明をされて,一杯のコ−ヒ−を進められるままに飲んだところまでは覚えている
 拓海が気がついたとき,身体はベットに横たえられていた
「あれ?俺どうして?」
舌が回らなくて上手くしゃべれない
「気がついたのか,拓海」
傍らで涼介が座っていた
 自分はどうして寝ているんだろう
いくらぼけでも他人の家で寝こけるわけがない
起き上がろうとして動けないことに気がついた
軽いしびれが全身を覆っていて指一本動かすことが出来ない
問いかける視線を涼介に向けると彼は微笑んで説明してくれた
「習慣性のない薬だから心配しなくていい,効果は半日ほどで納まる」
とても幸せそうに涼介は微笑んだ
 何を言っているのだろうか
薬?薬を盛られたのだろうか
なんのために?
「りょう?,あっりょうすけさん」
舌がしびれて上手くしゃべれない
涼介はゆっくりと拓海に近づいてきた
 顔の真横に涼介の顔を感じる
息遣いを頬に感じた
「拓海を俺のものにするためには必要だったんだ,本当は薬なんて使いたくないのだけど」
 この男は何を言っているのだろうか
拓海の理解を超えている
ねろっとした感触を耳朶に感じた
嘗められている,男に,耳を
「やっきもちわるいぃ」
もがこうとしたが顔を背けることすら出来ない
「可愛い拓海,初めてあった時からずっとこうしたかったんだよ」
始めて味わう拓海の肌の味に涼介は夢中になってしゃぶりついた
 舌が頬を伝って唇に下りてくる
その形を確かめるように舌でなぞってから唇の中に進入してきた
生暖かい肉を口の中に入れられて拓海は戻しそうになるが涼介はそれを許さない
歯茎を,舌を 口内を 涼介は拓海の唇を全て堪能したが拓海にとってそれは拷問であった
 唇を合わせるだけのキスしかしたことのない拓海は官能的な口付けで快楽を得るには幼すぎた
「ああ,思っていた通りだ,拓海とのキスは気持ち良い」恍惚の表情で涼介は拓海を見つめた
涼介の手が胸元をまさぐっている
「やめてっいやっやだぁ」
女のように膨らんでいないのに涼介は楽しそうに胸の果実をこねくりまわす
「いたぁっあぁ」
「まだここでは気持ち良くなれないのか,大丈夫,全部教えてあげるからね」
涼介の言葉に拓海は絶望を感じて涙が溢れ出てきた
「やだぁっりょうっ」
「ああ,ごめんね,泣かせてしまって,恐かったのか?恐いことはないよ,優しくするからね」
身体を動かせないのがもどかしい
少しでも動かせれば抵抗できるのに
「あああぁっあっふううぅ」
拓海の嬌声が響いた
涼介の唇が段々と下りてきたのだ
「やだぁっそこきたないぃ」
泣きじゃくる拓海をあやすように涼介は果実にキスの雨をふらした
「ああ,なんて可愛いんだ,汚いことなんてないよ,とても可愛い」
 ちゅぷっと音をたてて涼介が先端を口に含んだ
「ああっあっあっ」
たったそれだけの刺激なのに経験のない拓海は我慢できずに放ってしまった
多分薬の効果もあって堪えることが出来ないのだろう
 拓海の幼い態度からこの行為が初めてなのだと知ることが出来て涼介は目眩にも似た感動を覚える
涼介は拓海の蜜を口に含むと後ろの蕾にキスをしてきた「やああぁっひいっ」
舌が入り込んでくる
くちゅくちゅという音,涼介の舌が拓海の奥に差し込まれている
 内部の濡れる感触に拓海は総毛立った
涼介は舌で蕾をこじあけると先程口に含んだ蜜を流し込んでいる
「ひいっあうっううぅ」
時間をかけてゆっくりと蜜で蕾を解していく
 異常なその感覚に身体をのけ反らせて拓海は必死に耐えた
蜜を全て蕾に含ませると指で内壁を揉み解していく
二本の指で丹念に,拓海のポイントを涼介は探り当てた「あんっあぁ,なにこれっあっいやぁ」  
「ここに前立腺というのがあるんだ,気持ち良いだろう,ほぐしたら俺のもので突いてあげるからね」
全身を真赤に染めて拓海は刺激に耐えようとしている
その初々しい姿に涼介は興奮していた
 涼介の雄も拓海の痴態に反応して隆々とそびえたっている
「もうちょっと我慢しなさい,そうしたらいっぱい愛してあげる」
息も荒く涼介はズボンの前を寛げると雄を取り出した
そのまま拓海の蕾に押し当てる
「やめろっいやぁっひい」
涼介の高ぶりを蕾に感じる
熱いくらい脈打っていて恐ろしい
拓海の身体が自然と強ばった
「やあぁ恐いっこわいよぉ」
「大丈夫,乱暴はしない」
拓海の蜜だけではまだ初めての身体には辛いと判断した涼介は蕾に先端を押し当てるともう片手でせわしなく自身をしごきあげた
「ああっ拓海の潤んだ瞳を見ているだけでイきそうだよ」 蕾に先端だけを含ませて涼介がうっとりと拓海を見つめる
「可愛い,俺の拓海,俺のだ」
涼介の呼吸がどんどん荒くなって拓海は恐怖に身体を強ばらせた
「いいよ,拓海,最高だ」
唇をあわせて思い切り吸われると同時に生暖かい液体が体内に注ぎ込まれた
先端だけ含んだ涼介の雄から精液が奥にじわりっと染み渡ってくる
「あああぁっあっ」
「これくらい濡らせば大丈夫だからね,拓海を傷つけたりはしない,愛しあいたいだけだよ」
濡れた内壁にずずっと雄が入り込んできた
まさかっ驚愕に目を見開く拓海をあやしながら涼介は慎重に身体を進めていく
「緊張しないで,俺を感じるんだ,今拓海の中に俺がいる,解かるだろう」
どくどくと脈打つ雄が拓海の中を這いずっている
「あうっああんっそこっあっひい」
先程指で探り当てたポイントに涼介は雄をこすりつけた「気持ち良い?俺もだよ,拓海,拓海の中がぎゅうぎゅう締め付けてきて最高に気持ち良い」
軽く突いてやるとざわりっと拓海の内壁が騒いだ
涼介はあまりの快楽に酔ってしまう
「俺を受け入れてくれたんだね,嬉しいよ」
人生最良の瞬間だと涼介は感じた
拓海はもう俺のものだ,誰にも渡さない
 初めて見た時から涼介は拓海の虜になってしまった そしてあまりの恋敵の多さに焦りがつのる
魅力的な少年によこしまな思いを抱く者に対する嫉妬
早く手に入れなければ
少し強引な手段に出てしまったという自嘲の思いはあるがやはりこうして良かったと思う
これで拓海の全てを手に入れることが出来たのだから  涼介は幸福感の絶頂を感じながら拓海の中に己を解き放った


「あれは強姦だったんです」
拓海は会う度に抵抗してそう言うけれども涼介には解かっている
「拓海は気がついていないだけなんだよ,本当は俺のことが好きなんだ,その証拠にほら,こんなに感じている」涼介を嫌いならばこんなに感じる筈がない
こんなに愛しているのだから拓海が俺のことを嫌うはずがない
ゆっくりと時間をかけて愛してあげる
まだ幼いから恐がっているだけのこの恋人に自分の本当の気持ちを気づかせてあげる
「早く大人になって,拓海」
涼介は拓海を組み敷きながら切望する
 まだ拓海に好きだと言ってもらっていない
 この唇で涼介に愛の言葉を囁いてほしい
だがこの恋人は意地っ張りな子供だから,
あれは強姦だったと言う
涼介は微笑みながら憎まれ口を叩く恋人に口付けた

「あれは合意の行為だったんだよ,拓海」

何度も何度も囁いて,口付ける
違うっと恋人は小さく呟いたが涼介は耳を借そうとはしなかった


 いや−っ勘違い大王
 好き好きっ変です

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