それは運命の出会い,藤原拓海はあるバトルがきっかけで高橋涼介とお知り合いになった
「俺は拓海の事を愛しているらしい,すまない,男同士なのにこんな事を言って」
控え目に,だが強引に涼介は拓海の心に入り込んできた「涼介さん,俺も」
誰が見ても完璧だというその容姿,人格,頭脳,神から愛された人間である高橋涼介に魅かれたのは当然の事で,
二人は目出度くカップルになったのであった
「なあ,いつき,俺ってつまらない奴かなあ」
親友のため息にいつきはびっくりしてしまう
いつもはぼけ男の拓海がどこか切なげな瞳をうるうるさせている
「はは−ん,さては恋だな,拓海にもやっと初恋が訪れたんだな くうう」
訳わからん納得の仕方で身をよじらせるいつき
「大丈夫だって,お前はぼけ男だけど結構可愛いしさ,クラスの奴らの一応はアイドルなんだから自信もてってよお」
いつきのやっぱり訳分からないなぐさめに拓海は大きくため息をついた
(でも,涼介さん,付き合って半年もたつのにキスしかしてくれない)
拓海の悩みはそこである
涼介はキスしてくれても触ってくれない
二人はまだ清い関係なのだ
(やっぱ男同士だから無理があるんだよな,くすん)
拓海とて男に抱かれるのは抵抗があるだ
でもそれよりも涼介をもっと身近に感じたかった
愛しているとささやかれるだけでなく実行してもらいたいだなんて,俺って結構エッチかも
でも好きだって言って両思いで,なのに後一歩のところで進めない
(ひょっとしてそういうのに興味がないとか,俺に興味がないとか,俺色気ないもんな)
やっぱりそういうのには無理あるもんな,でも拓海は両介の事が好きで好きで大好きで,だから不安なのだ
あんなにかっこいい涼介さんの事だから,いつか誰かにさらわれてしまいそうで恐い
拓海は決意していた
今度二人でデ−トしたとき,一線を超える,超えてみせる,そして心身ともにラブラブになるのだ
「涼介さん,好きです,大好きなんです」
二人きりの深夜の逢瀬
拓海は秋名の湖畔で涼介に抱きついた
今夜こそ決めてやる
でないと不安で涼介の愛情を疑ってしまいそうだ
「やめるんだ,拓海」
苦しそうに眉間に皺を寄せながら涼介が拓海を押し戻す
「やっぱりっ俺,色気ないしぼけ男だから駄目なんですね,涼介さんの恋人にはなれないんだ」
悲しそうに涙を流す拓海を涼介は辛そうに抱きしめた
「違うんだ,拓海は悪くない,だが抱くことは出来ない」
「男同士だから?そうなんですね,俺には魅力がないんだからしょうがないですよね」
目をうるうるさせながら健気に拓海は笑みを作る
それがたまらなくて涼介は決意を固めた
「ホテルにいこうか,拓海,俺の秘密を教えよう」
ファッンホテルでも最高ランクのその部屋で拓海は緊張でがたがた震えていた
(どうしよう,俺ってば涼介さんの事を誘っちゃったよ,俺って大胆)
どきどきしながら涼介を盗み見るとそこには苦悩に満ちた顔が
(涼介さん困ってる,どうしよう)
「やっぱり男同士なんて無理があるんです,すいませんでした,我がままいっちゃって」
ぽろりと拓海の瞳から涙が零れおちる
「違うんだ,拓海」
「いいんです,わかってます,俺みたいな並,涼介さんに相手してもらえるなんて思ってません」
コ−トを来て部屋から出ていこうとする拓海を涼介は後ろから抱きしめた
「違う,拓海,俺だって拓海の事を愛している,愛しているからこそ体を繋げられないんだ」
「それは俺が男だから」
「そうじゃない,拓海が男だなんて事は全然問題じゃないんだ,
俺は拓海とだったらあんな事やこんな事だってしたい,いやあれもやりたいしこんな体位も試してみたいし
,拓海が了承してくれれば縛りや青空の下でなんて夢も見ているんだ」
涼介が抱きしめる力が更に強くなる
「だけど,俺は人とは体の構造が違うから,拓海に嫌われてしまうのではないかと不安なんだ」
「そんな事ない,俺は涼介さんが好きなんです,例え涼介さんがどんな体でも俺にとって愛する人は涼介さんだけです」
「拓海,愛している」
「ああ,涼介さん」
ラブラブな二人,愛を確認しあうのだが,世の中そんなに上手くはいかないのだ
ベットにちょこんと座っている拓海,横で涼介が真剣な顔で秘密を打ち明けていた
「拓海も知っての通り,俺は小さい時に酷い火傷を手におってしまった,
そのためいつも白い手袋をしている」それが秘密なのだろうか
確かに涼介はその火傷を隠すために両手に白い手袋をはめていた
白い彗星という仇名の由来もそこからきているくらいに涼介のトレ−ドマ−クとなっている
でもそれってピアニストとか手のモデルの人もよくはめているし,拓海からするととてもかっこよく見えるのだが,,,
「気にすることないです,俺は涼介さんがどんなに酷い火傷をおっていてもそんなことでひるんだりしません」
健気な拓海に涼介はため息をつく
「火傷というのは世間をあざむくための嘘なんだ,実は俺には弟がいた」 「えっ涼介さんに弟さんが?初耳です」
ふう,大きく涼介がため息をついた
「名前は啓介,啓介は生まれたときから未熟児で1歳の誕生日を待たずして天国へめされた」
その時の涼介の悲しみを考えると拓海は目をうるうるさせてしまう
「問題はそれからだった,
啓介の死後,俺は奇病にとりつかれた,
猛烈な掌の痛みと高熱が3日続いて,それが納まったときには奇妙な出来ものが出来ていた」
可哀想な涼介さん,弟を失っただけでなく難病にかかってしまうだなんて
「実は天国へいったはずの啓介がこの世に未練があるらしく俺の体を使って蘇ったんだ」 「えっ?それってどういうこと?」
「驚かないでくれ,拓海,愛しているんだ,今から弟を紹介しよう」
やったあ,涼介さんの家族に紹介してもらえるんだ,
俺って恋人じゃん,とちょっとおばかな拓海は喜んでしまうスルリッ何故か右の白い手袋を外す涼介
「よおっ拓海,こうやって会うのは初めてだな,俺の名は高橋啓介,啓介って呼び捨てでいいぜ」
「きゃああ−っ」
啓介に会った瞬間,拓海は泡を吹いて倒れてしまった
「いきなり気絶するなんて失礼な奴だな,兄貴の彼女」「お前の登場の仕方が悪い,大体その下品な金髪が悪いんだ,啓介」
「これは俺のアイデンティティなんだよ,いいじゃん,ちょっと指の間の毛が金髪なくらい」
「啓介は目つきも悪いからな,拓海がおびえるのも無理はない」
「あっひでえ,兄貴,たった一人の弟に」
話声に拓海はうっすらと目を開けた
ベットに横たえられている拓海からは涼介一人しか見えない
(涼介さん?誰と話しているの?)
もう一人の男の姿は見えない
(あっそういえば弟の啓介さんに紹介されて・・・)
がばっとはねおきる拓海
「あ−っ涼介さん,啓介さん」
拓海の声に涼介と啓介が振り向いた
「拓海,気がついたんだね」
「よかった,驚かせちまってごめんな」
やっぱりあれは見間違いじゃなかったんだ
拓海はまじまじと見入ってしまう
涼介の右の掌には啓介の顔が鎮座していた
「人面疽?」
「いや,弟」
まじまじと掌を見られてちょっと恥ずかしそうな兄である
「あ,すいません,俺気絶しちゃって,はじめまして
藤原拓海です」
「おうっ拓海ってのか,可愛いな,お前」
弟に誉められてどきどきする啓介である
「啓介さんも男前ですね」
「おうっよく言われるぜ」
誰にだ?とはあえて問わない拓海である
「でもいっつも啓介さんって涼介さんの白手袋の中なんですよね,苦しくないですか?」
「・・・苦しい」
会話が弾む?拓海と啓介である
兄としては面白くない
「拓海は俺の恋人なんだ,馴れ馴れしくするな,啓介」
「何言ってるんだよ,兄貴,兄貴と俺は一心同体じゃねえか,兄貴の恋人イコ−ル俺の恋人なんだぜ」
爆弾発言にびっくりする拓海である
「えええっ俺って啓介さんの恋人になっちゃったんですか?」
いつのまにか恋人が二人?
しかも相手は兄弟で・・・
「何言っている,啓介の戯言だ,気にするな,拓海,拓海は俺だけの恋人だよ」
「兄貴こそ忘れんなよ,俺と兄貴は好みがいっしょなんだよ,俺も拓海の事一目見たときから惚れちまったんだ」
うなり声を上げて自分の掌を威嚇する涼介ははたからみるとお笑いだ
「へっ兄貴に俺が手だせるのかよ,いいぜ,殴りたければ殴れよ」
顔をはって拓海の愛を主張する啓介である
涼介は悔しそうに歯ぎしりすると白手袋をはめた
「あっ兄貴っ卑怯だぜ,その手は,拓海っ拓海−ったすけてくれ−っ」
いやがる啓介を白手袋にしまいこんで涼介はふ−っと大きくため息をついた
「全く啓介には困ったものだ」
「苦労しているんですね,涼介さん」
涼介は愛しい拓海を抱きしめて宣言する
「拓海,愛している,俺は啓介には負けない,
啓介にはちゃんと話して大人しくさせるから,そうしたら弟なんかに邪魔されないでゆっくり愛しあおう」
それは絶対無理なんじゃないかな−っと思ってしまう拓海だが自分に浸っている涼介にそんな事は言えなかった
だっこされてよしよしされながら拓海は悩んでしまうのであった
恋人の右の掌は弟さんで,しかも弟さんは拓海の事が好きだといっていて,これってひょっとして三角関係?
そしてこの状態は多分一生の関係で・・・
どうしよう,頭を抱える拓海と野望に燃える涼介,そして初恋に心をときめかし今も白手袋の中で暴れている啓介
,恋のバトルは始まったばかりだ
すいません,許して
啓介ファンの方
一応たにも啓介ファンなんだけど
[ハンド啓介のテクニック]
「拓海がいつも自分でやっていることと同じなんだよ,全然変な事ではないからね」
緊張のあまり固くなっている拓海に涼介は優しく囁いた
「でもっでも啓介さんがいるのに」
「気にしないで,こんな出来もののことなんて」
兄のあんまりな台詞に啓介が憤慨する
「ひでえっ兄貴っ一心同体なのに」
「ちっ拓海の恋人は俺,高橋涼介なんだ,
だが仕方ないからしょうがなくお前にも拓海を触らせてやるんだぞ」
「ふんっ兄貴の恋人は俺の恋人でもあるんだぜ,第一拓海は俺に脈があるはずだ,俺のことをいっつも見ているもんな」
それは恐いものみたさで,,,とはいえない拓海
でも啓介もかっこよくてどきどきしてしまうのも事実だ(俺って浮気性かも)
ちょっと不安になる拓海,その一瞬の隙をついて涼介の手が拓海のズボンに入ってきた
「やっやあっ涼介さんっそんないきなり」
「拓海だって男の子なんだからここをいじって遊んだことくらいあるだろう,大丈夫,痛くしないから」
違うっ全然違う−っと悲鳴をあげるより早く涼介の指が拓海の果実に絡みついてきた
「ああっひっあうっあん」
そうすると当然啓介の顔は拓海の先端に位置する訳で
「いやっそんなとこなめちゃっあん」
「へへっ可愛いな,拓海のこれ」
ぬるりっと生暖かい舌が絡みついてくる
ちゅっちゅっと先端を吸われて甘く噛まれて,拓海は声を押し殺すことが出来なかった
「啓介さんっあんっそこっそこはだめ」
「ここなんだな,拓海のいいところは」
啓介の舌が淫靡な動きを始めた
涼介の指が絡みついてくる
「ほら,自分でするのと一緒だろう」
耳たぶを優しく嘗めながら涼介は囁く
「違うっこんなにすごくないもん」
涙目でうるうるうする拓海,可愛すぎるのが罪なのか
「可愛いね,拓海,俺の恋人」
涼介が濃厚なディ−プキスを仕掛けてくる
下では啓介もそりゃあ濃厚なキスをしかけてきた
「ああ−っいやあぁっけいすけぇ」
びくびくと体を震わせて拓海がのけぞった
その態度から拓海がイった事を涼介は知る
ぴくぴくっこめかみがひきつる涼介
「いけない子だ,拓海の恋人は俺なのに啓介の名前を呼びながらイくなんて」
嫉妬に狂った男というのは恐ろしい
快楽でぼ−っとしている拓海のズボンをぬがすと涼介は弟と競うかのように果実に口付けてきた
「あうっあんっそんな,二人ともやめてぇ」
涼介が拓海の果実の先を丹念に嘗めると弟は後ろの袋を甘噛みしてくる
「はあぁっあっああ」
もう息も絶え絶えな拓海
つぷっと涼介の指が果実に入り込んできた
「やだっそんなところ,汚い」
「拓海の体で汚いところなんてどこもないよ,まだ固くてほぐれていないね,啓介にほぐしてもらおうか」
「がってんだぜっ兄貴」
「いやああ−」
そんなっあまりにも変態すぎる
急激なショックで意識が朦朧とする拓海
しかしまだまだ恐ろしい事実が隠されていたのだ
「拓海にはまだ教えていなかったけれど,実は俺には秘密がある」
「まだあるんですか−っ」
「啓介人面疽は一つではないんだ,啓介の体のある部分が俺の左手に隠されている」
はっと拓海は涼介の左手に見入った
なんでっなんで指が6本もあるんだっしかもその6本目の指はなんであんなに巨大なんだっ
それに形がなんか違う−っ
白い手袋の中,隆々とそびえ立つそれっ見るのが恐い
「見たい?」
にっこり微笑むと涼介は白手袋を外し始めた
「きゃあああ−っ」
拓海が泡をふいて倒れたのはその直後である
[藤原 拓海の苦悩]
いきなり恋人が二人,しかも一人は人面疽
拓海は思い切り悩んでいた
涼介さんと啓介さん,まったくタイプの違う二人だが拓海は兄弟同時に愛してしまったのだ
だからこそある一つの疑問が拓海を悩ませる
「涼介さん,あの掌でどうやって運転しているんだろう」
誰も知らない白い彗星の秘密であった
ちとせまさんリクエストのゾンバイオ うち風に料理したらこうなりました
これはリクエストなのよ−
うちはいつもこんな変態はやっていま せん,,,,と思う