M.BUTTERFLY 2  

思いとは裏腹に拓海の脳裏から涼介の存在が消えることは無かった
考えたくないのに,気がつくと唇に手を当てている
 痛みは3日で消えた
何故か拓海はそれを寂しいと感じた

 次のプロジェクトのミ−ティングは週末であった
涼介のマンションで行なわれる
それには今度はメンバ−も全員出席している
あのことがあって緊張していた拓海であったが
涼介の態度は以前と変わらずまたも肩すかしをくらわされた
「遊びだったんだ」
 嬉しいような悔しいような複雑な気持ちが拓海の中にある
 帰り際拓海は涼介に呼び止められた
「ちょっといいかな,藤原,時間は取らせないから」
安心していただけに一気に緊張が高まった
「なになに?拓海に用事ってさ」
弟の啓介が耳ざとく話を聞きつけてきた
「藤原は高校生だからね,遠征のこととかで打ち合わせをしておきたいんだ,啓介,今日は帰れ」
 暗に邪魔だと涼介は告げる
こういうときの兄に逆らわないほうが無難なのを啓介は身を持って体験していたので肩をすくめると退散することにした
「じゃあな,拓海,今度また秋名にいくからさ,一緒に走ろうぜ」
 啓介は時々早朝に秋名まで来て拓海とじゃれあうのを楽しみにしていた
「ええ,待ってます,啓介さん」
啓介はひらひらと手を降るとドアを閉めた

 

 ガシャリ

 重い音と共に扉が閉まる
閉ざされた空間に涼介と二人きり
息をするのも苦しいような沈黙
拓海は意を決すると涼介の方に向き直った
きりっと目尻を強くして涼介を睨み付ける
「話ってなんですか」
とりあえず,プロジェクトの事で世話になっているから話だけは聞くつもりであった
「遠征についてだといっただろう,立ったままではなんだからあちらの部屋にいこうか」
この前と同じようにソファに向かい合って座った
 拓海はまるで毛を逆立てた猫のように涼介を威嚇している
その姿は涼介からすると小猫がじゃれているようにしか見えない
 優しい微笑みを浮かべながら涼介はこれからのスケジュ−ルを説明した
「泊まり込みが増えるからね,親御さんにちゃんと説明しておかないと」
「俺はもう子供じゃないから平気です」
ガキ扱いするなっと牙をむく拓海の姿に涼介は満足げに微笑んだ
「そう,子供じゃなかったね,拓海は」
 やばいっと思ったときにはもう涼介は行動していた
まるで猫科の肉食獣のように機敏な身のこなしで拓海の腕をつかんで引き摺り寄せる
「やめろっなにするんだ」
「分かっていて部屋に残ったんだろう」
反らそうとする頭を強引に掴まれて口付けされた
手足を動かして逃げようとするが涼介の長いリ−チに阻まれて微かにもがくことしか出来ない
「いやだっやだっ」
こんなキスは知らない
大人の味のする口付けは幼い拓海を翻弄する
「ひっひいぃ」
くぐもった悲鳴が拓海の唇から漏れた
涼介が片手で拓海の手を纏めると残った手で下肢のつけねを握り締めたのだ
すばやくジッパ−の前を開けると下着の中から果実を引き摺り出す
「あっふうぅっやっ」
抗議の声を上げたくとも唇に阻まれて漏れるのはうめき声ばかり
じかに触られて強弱をつけて揉み解される
 強烈な快感
自慰とは比べものにならない淫靡な指先の動き
あの高橋涼介が自分のものを弄っているというのが更に拓海をあおりたてた
爪の先が先端に食い込んでくる
決して優しいとは言えないような指の動きが羞恥を掻き立てた
「あぁっいっあう」
唇からお互いの唾液があふれ出て喉を伝う
 もう我慢できないっと拓海が体をのけぞらした時に涼介の動きが止まった
「あ?はあぁ」
後もう少しなのに,絶頂の一歩手前で止められて腰が揺れる
そんな拓海を涼介は楽しげに見つめる
 唇は重なったまま視近距離で視線が絡み合う
涼介の指先は拓海の先端のもっとも感じる部分に添えられている
動く気配はない
 涼介の思惑に気がついた拓海はかあっと羞恥に全身を赤く染めた
 イきたかったら自分で動けと瞳が告げる
 自分から涼介の指先に擦り付けて快感を得なければ
 ずっとこのままの状態が続くのだ
目尻が屈辱でぶわっと滲んだ
拓海はぎりっと涼介を射殺さんばかりの勢いで睨むとおずおずと腰を動かした
涼介の指先に果実をすり付ける
拓海の感じる部分を教えるかのように指先をポイントへ導いた
そして小刻みに腰を震わすと強烈な快感が訪れる
爪の形まではっきりと感じた
指の腹に先端のくびれを押しつけると先走りのぬるりとした感触が動きをスム−ズにする
「あっあああぁっあうっ」
 指先にぬめりをなすりつけるように拓海は小刻みに震えた
「あうっひっひいっ」
目の前が真っ白になって意識が一瞬飛んでしまう
白い蜜で涼介の指を汚して,拓海はずるずるとその場に座り込んだ
「はあぁっあっ」
 必死で息を整えようとしている拓海の姿に涼介は愛しさがつのる
だが拓海の準備が整うのを待ってあげるほど涼介は優しい男ではなかった
 座り込んでいる拓海の膝を掴むとぐいっと大きく開かせる
「なにすんだよっやあぁ」
前だけを開いた状態の付け根は下着も学生服も蜜で濡れている
 くすりっと方頬だけで涼介は笑うとその付け根に唇を寄せた
「やめろっ汚いっああっひいぃ」
ねろっと舌が果実を嘗め上げる
生暖かくぬめりを帯びた舌が果実を嘗め回している
「やっやぁっいやだぁ」
もがいて閉じようとする足を固定させて涼介は果実を堪能した
 先程放ったばかりだというのに若い性は他人から与えられる快楽に驚くほど弱い
先端からはしとどなく蜜が溢れ出てきた
涼介はそれを唇で受けとめて喉を鳴らして飲み下す
「あんっああぁっもうやだっやあぁ」
 過ぎた快楽は苦痛でしかない
泣き叫んで逃れようとする拓海に対して涼介は容赦しなかった
何度も何度も追い立てて絞り取るようにして蜜をすする
 袋にも歯で甘く愛撫を繰り返し,会陰に舌を這わせて拓海をよがり狂わせた

 

to be continue