M.BUTTERFLY 4 

海の母親は拓海が3歳の時に男と逃げた
父親は無骨な男だったから幼い子供にどう接していいのか解からなかった
そうして幼い子供は愛に飢えたまま成長する
普通の子供ならば与えられるべき愛情を貰えなかった子供はいつしか待ち望むようになっていた
いつか,自分だけを愛してくれる人が現れて愛情を与えてくれると
苦しいぐらいの束縛で,自分を支配してくれる
愛していると囁いて加護してくれて,全てを奪い尽く してくれる存在を

 

 


子供は待ち望む
体は成長しても心は幼いときのまま
束縛してくれる存在をずっと待ち続けていた
自分でも気がつかないままずっと飢えている
奇麗なものの好きな少年は大人になってもずっと待ち続けていた
自分だけの所有物に出来る奇麗なものを
少年は聡い子供だったのでこの世で一番奇麗なものは人間の心だと気がついていた
ずっと探し続けていた
愛することの出来る存在を
人の世界は大人になるにつれて醜さを露呈する
そんな世界に絶望する大人になってしまった少年の前に現れた無垢な存在
どうして愛さずにいられようか
全てを手に入れたい
その心も体も食らいつくして己のものにしたい
少年の心の中を全て支配したい
初めてあった無垢な存在に大人の心を持った青年は衝動を押さえられない

 手に入れる
 全てを

 

 

 10日後にまたおいで

涼介はそう言うと拓海を開放してくれた
またこれから10日間,悦楽の苦しみが訪れる

 

 我慢した方が得る快楽は大きいんだよ

 

それまでは涼介を欲しがって身悶えるといい
涼介が拓海に捕われたように拓海にも涼介を欲しがってもらいたいから
拓海の方から来るように仕向ける
強引にされたなどという言い訳はさせない
拓海の方から屈してこないと意味が無い

 

「ああっあんっいいっすごいっいいよぉ」
10日ごとの逢瀬に拓海の体は慣れていく
涼介の舌を求めて自ら足を開いてねだる
「そこっもっと嘗めて,あっりょうすけさん」
つややかな涼介の黒髪に指を差し入れて拓海は快感を得る場所と導く
ついっと涼介の動きが止まった
「あっなんでぇ」
後もう少しというところで放り出されて拓海が困惑の表情を浮かべた
そのあどけない媚態に涼介は会心の笑みを浮かべる
「もっと気持ちいい事をしてあげる,拓海は気持ち良い事が好きだろう」
涼介の言葉に拓海の下肢が期待で震えた
 舌が徐々に下がってくる
「ひっなにっそこっ汚い」
信じられないことに涼介は会陰を伝い蕾に舌を這わせてきたのだ
「ここでも快楽を得ることが出来るんだよ,一時の快楽では無い,永劫に続く快感を知りたいだろう」
くちゅくちゅと淫猥な音が響く
「やぁ,気持ち悪いっあっああぁっひい」
拓海の体が跳ね上がった
涼介はその一点を集中して攻める
唾液で滑った蕾に指を差し入れてくりくりと弄ると拓海の嬌声が上がった
「やだあぁっなにこれっあっふうぅ」
「どんな感じ?気持ちいい?」
「あっああぁっいいっいいよおぉっすごいいい」
うっとりと涼介の指に酔いしれて拓海が続け様に蜜を滴らせた
「そのうちここだけでいけるようになる,そしてここで俺を受けとめるんだ,その時こそ拓海は真実俺だけのものになる」
 まるで予言のように涼介は囁いた

 

 帰り際に拓海は緑色のジェルの入ったチュ−ブを渡された
「欲しくなったらこれで蕾を和らげてあげなさい,ここを弄ると気持ち良いことは解かっただろう」
でも前は触ってはいけないよ,と涼介は命令する
 甘い言葉で,優しい微笑みを浮かべながら拓海には逆らわせない
拓海はその言葉に逆らうことが出来ない

 

to be continue