「涼介さんの小さな悩み」


 高橋涼介23歳,乙女座。
 赤城の白い彗星とまで言われたカリスマ走り屋であり群馬大学主席の医大生
 顔はモデル顔負け,身体も見事に鍛えられている。
 その姿を人はギリシャ神話のダビデに例えた。
 実家は全国でも名高い高橋総合病院。
 何もかも完璧で将来を約束された彼だがたった一つ,問題があった。
「何故だ,何故神は俺にこんな試練を与えたのだ」
 明日のプロジェクトD合宿を控え,涼介は苦悩していた。
 プロジェクトD,それは涼介が公道最速理論の集大成として発動した一年限定のチーム
 そのダブルエースに選ばれた藤原拓海を涼介は愛してしまったのだ。
 藤原拓海は男である。
 まだ初々しい少年だが涼介は恋心を止められなかった。 初恋なのだ。
 燃え盛るこの思いを涼介は押さえることなど出来ない。 だが,この恋には障害があった。
 弟の啓介も拓海を愛してしまったのだ。
 兄弟二人が同時に一人の少年を愛してしまうとはなんという運命の皮肉なのか。
 拓海はちょっとおとぼけさんで恋愛にはうとい。
 涼介が,そして啓介がどんなにアプローチをしようともこれっぽっちも,爪の先ほども分かってくれなかった。
 兄弟はお互いを牽制しあい,邪魔しまくって今だどちらもスティディな関係にいたっていない。
 だからこそこの合宿では。
「今度こそ決めてやる」
 啓介を倒し,拓海とラブラブになってやる。
 それが目下涼介の野望であった。
 だがそれには大きな障害が。

「・・・大きい」
 涼介さんは自室で自分のズボンの前をくつろげて鏡に写してため息をついた。
 そうなのだ。
 賢明な読者の皆様はもうお分かりだろう。
 涼介の悩み
 それは肉体的な欠陥であった。
 涼介はある部分が人よりもすば抜けて大きいのだ。
 つまりナニがである。
 大きいのは男の自慢。
 普通はそう思うだろう。
 だが,それが異様にビックであったら。
 涼介のそれは人間の域を超えるか超えないかぎりぎりのところであった。
 それだけならまだいい。
「・・・長すぎる」
 これが本題である。
 涼介は大きい上に長かった。
 普通の場合太さ4,68センチ,長さ16,5センチが基本である。
 だが涼介のナニは平均を大きく上回っていた。
 ここにサイズを書くのは忍びないので皆様のご想像にお任せする。
 涼介は頭脳でも顔でも財力でも啓介に勝つ自信があった。
 だが,もしも拓海が涼介のナニを見て怯えてしまったら。
 普通の弟に心を傾けるのは間違いないだろう。
「許せない,そんな事は」
 それくらいならばいっそ無理矢理。
 否,駄目だ,それでは拓海の愛は手に入らない。
 こうして涼介は小さな悩みに心を痛めるのであった。

 その頃拓海は涼介がこんな悩みを背負っているとは思いもしないでぐうぐう惰眠を貪るのであった。


「高橋啓介の小さな悩み」

 高橋啓介21歳,獅子座。
 ダブルエースの片割れとして才能を発揮し,公道最速理論の後継者として名をあげている啓介。
 顔はモデル顔負け,身体も見事に鍛えられている。
 その姿を人はギリシャ神話のアポロンに例えた。
 実家は全国でも名高い高橋総合病院。
 おまけに次男坊という美味しい立場。
 何もかも完璧で将来を約束された彼だがたった一つ,問題があった。
「何故だ,何故俺はこんな身体に生まれついちまったんだ?」
 明日のプロジェクトD合宿を控え,啓介は苦悩していた。
 プロジェクトD,それは兄が公道最速理論の集大成として発動した一年限定のチ−ム
 そのダブルエースに選ばれた藤原拓海を啓介は愛してしまったのだ。
 藤原拓海は男である。
 まだ初々しい少年だが啓介は猛る下半身を止められなかった。
 初恋なのだ。
 燃え盛るこの欲望を啓介は押さえることなど出来ない。 だが,この恋には障害があった。
 兄の涼介も拓海を愛してしまったのだ。
 兄弟二人が同時に一人の少年を愛してしまうとはなんという運命の皮肉なのか。
 拓海はちょっとおとぼけさんで恋愛にはうとい。
 涼介が,そして啓介がどんなにアプローチをしようともこれっぽっちも,爪の先ほども分かってくれなかった。 兄弟はお互いを牽制しあい,邪魔しまくって今だどちらもスティディな関係にいたっていない。
 だからこそこの合宿では。
「今度こそ決めてやるぜ」
 兄貴を倒し,拓海とラブラブになってやる。
 それが目下啓介の野望であった。
 だがそれには大きな障害が。

「・・・大きいぜ」
 啓介はゴミだめのごとき部屋で自分のズボンの前をくつろげて鏡に写してため息をついた。
 そうなのだ。
 賢明な読者の皆様はもうお分かりだろう。
 啓介の悩み
 それは肉体的な欠陥であった。
 啓介はある部分が人よりもすば抜けて大きいのだ。
 つまりナニがである。
 大きいのは男の自慢。
 普通はそう思うだろう。
 だが,それが異様にビックであったら。
 啓介のそれは人間の域を超えるか超えないかぎりぎりのところであった。
 それだけならまだいい。
「・・・太すぎる」
 これが本題である。
 啓介は大きい上に太かった。
 普通の場合太さ4,68センチ,長さ16,5センチが基本である。
 だが啓介のナニは平均を大きく上回っていた。
 ここにサイズを書くのは忍びないので皆様のご想像にお任せする。
 啓介はナニのテクでも顔でも体力でも兄に勝つ自信があった。
 だが,もしも拓海が啓介のナニを見て怯えてしまったら。
 普通の兄に心を傾けるのは間違いないだろう。
「許せないぜ,そんな事は」
 それくらいならばいっそ無理矢理。
 否,駄目だ,それでは拓海の愛は手に入らない。
 こうして啓介は小さな悩みに心を痛めるのであった。

 その頃拓海は涼介がこんな悩みを背負っているとは思いもしないでぐうぐう惰眠を貪るのであった。