「フ−ミンの大人相談室」

 フ−ミンことレッドサンズ広報部長兼プロジェクトD進行係。
 彼はプロジェクトの全てを取り仕切り調停をして面倒を見て骨をおっている。
 彼は持病の胃痙攣を背負いながらも健気に皆のために身を粉にして働いていた。
 これはそんな史紘の人望に魅かれて心を開いた少年との対話の1シ−ンである。

 居酒屋 北の家族
 高崎駅前のその酒場で以外な二人が酒を酌み交わしていた。
「いつもあの兄弟の相手じゃ疲れるだろう,今日はおれが奢るからじゃんじゃん食べてくれ,藤原」
 史紘と一緒に飲んでいるのは藤原拓海。
 華麗な美少年で秋名のハチロクで全国の走り屋のアイドルで・・・恐ろしいことにあの兄弟の恋人でもある。

「お前の苦労はみんな知っているんだぜ,本当に藤原は偉いよ」
「なに言っているんですか,史紘さんの方が百倍偉いですよ,あの涼介さんの親友なんですから」
 そりゃあそうだ,と史紘は思ったが何も言わなかった。 

親友とは名ばかりの使い走りで神経をすり減らしているが藤原のこの笑顔を見ると心が洗われる。
 ああ,藤原拓海癒し系アイドル
 実は史紘が今日,ここに拓海を誘ったのには訳があった。
 拓海の様子がおかしいのだ。
 兄弟の様子もおかしい。
 彼等は史紘に相談してきた。
「拓海がさ,なんかエッチ嫌がるんだよな,なあ史紘,さりげなく拓海に何が不満なのか聞いてみてくれよ」
「史紘,俺達親友だよな,頼りにしているよ」
 にっこり笑って史紘をこきつかう兄弟は悪魔のようであった。
 くくくっ思い出して胃を押さえる史紘に拓海が心配する。
「史紘さん,大丈夫ですか,いっつも胃押さえているからみんな心配しているんですよ,無理しないでくださいね」
「ありがとう,藤原,藤原みたいないい子がなんであの兄弟と付き合っているのか不思議だ」
「俺も不思議です」
 こうして二人は盛り上がり酒を酌み交わした。


 宴もたけなわ
 二人はへべれけに酔っ払っている
 あの兄弟に付き合っているストレスが爆発した拓海と史紘はナチュラルハイで飲みまくった。
 さて,二時間程過ぎた頃
 史紘は本題を切り出した。
「なあ,なんであいつらとの,その,愛の営みをいやがるんだ?涼介も啓介も落ち込んでいたぞ」
 拓海は真赤になってもじもじしていたが,しばらくすると悩みを打ち明けてくれた。
 実は・・・・
「涼介さんとっても経験豊富みたいで優しいです,すごく俺の事大切にしてくれます,でも」
「でも?」
「いっつもこう囁くんです」
 その時の事を思い出して拓海は真赤になった。
 そう,涼介はここぞと言うときに囁くのだ
 


 こんなに濡れてるよ


「いや−,俺男だし,そう言われても困っちゃって」
 そうだよな,そうだよな史紘はうんうんと頷いた
 そしてふと思う
「涼介のそれは問題あるが啓介は?あいつは大丈夫なんだろう」
 すると拓海はは−っとため息を吐きました
「やっぱり兄弟ですから,言うことが似ているんですけど,ちょっとニュアンスが違うんです」
「・・・なんて言うんだ?」
 その時の事を思い出して拓海は真赤になった。
 そう,啓介はここぞと言うときに囁くのだ


 こんなに漏れてるぜ

「いや−.それまで盛り上がっていただけに対応に困っちゃって」
 拓海はとほほと頭をかいた。
「う−ん,そりゃあ兄弟が悪いな,自業自得だ」
「そうでしょう,そうでしょう,やっぱり史紘さんは話解かってくれますよね」
 こうして意気投合した二人は店を変えて飲み続けるのであった。

 

 

 
「フ−ミンの大人相談室その2」

 ここは高崎駅前,魚民
 盛り上がって梯子をした史紘と拓海である
「まだ悩みあるんだろう,俺でよかったら相談にのるから」
 と史紘か言えば
「史紘さんってお兄さんみたい」
 と拓海
 完全な酔っ払いである
「そう,あれもちょっと困るんですよね」
 拓海は梅サワ−を飲みながら恥ずかしそうに相談してきた。
「なんだ?なんでも言ってみろよ」
 実は・・・
「涼介さんとっても経験豊富みたいで優しいです,すごく俺の事大切にしてくれます,でも」
「でも?」
「いっつも音楽をかけるんです」
 その時の事を思い出して拓海は真赤になった。
 そう,涼介はここぞとお気に入りの音楽でム−ド作りをするのだが。
「涼介さんのお気に入りの曲はワ−グナ−で,トリスタンとイゾルテで・・・」
「それで?」
「ワ−グナ−にあわせて腰を振るんです」
 拓海は真赤になって俯いた
「・・・・それは長そうだな」
「そうなんです,長いしゆっくりだし焦らされてるみたいで,俺,俺,」
 史紘は大きくため息をついた
「それは涼介が悪いな,だが啓介は大丈夫なんだろう?」 
史紘の問いかけに拓海は大きくため息をついた。
「さすが兄弟っていうかやることが似ていて,でも啓介さんは・・・」
「啓介は?」
 拓海は恥ずかしそうに俯いた
「・・・ユ−ロビ−トなんです」
 イニシャルDの基本ですから。
 そう言って目をうるうるさせる拓海。
 なんて不憫な

「よし,今夜は飲み明かすぞ,藤原,三軒目だ」
「お供します,史紘さん」
 こうして史紘と拓海は夜の都会へ繰り出すのであった。


 
「フ−ミンの大人相談室その3」

 ここは高崎駅前 白木屋
 拓海はすっかり酔っ払いでべそべそ史紘に人生相談していた。
「でね,やっぱり俺ってガキだし男だし涼介さんも啓介さんも物足りないんじゃないかなって思うんです」
「それはないんじゃないかな,だってあの兄弟は藤原に惚れ込んでいるぜ」
 拓海にそう史紘が答えたが拓海は納得していないようでライチサワ−を握り締めた。
「だって,だって,この前俺見ちゃったんです,涼介さんのベットの下に隠されていたビデオを」
 拓海の言葉に史紘が身を乗り出した
「エッチビデオか,やるな涼介も」
 拓海がちょっと冷たい目で史紘を睨み付ける
「それならまだ良かったんですけど」
 涼介の枕の下にこっそりと隠されてあったそのビデオとは?

「秘技伝授,加藤鷹主演」
 潮吹きの鷹こと加藤鷹がそのテクニックを惜しげもなく披露するレッスンビデオ
「やっぱり俺ががき臭いからあんなビデオを見て,ううう」
 嘆く拓海に史紘が一言
「藤原,気をつけろよ,涼介が伝授を身に付けたら大変だぞ」
 はああ,拓海はため息をついた
「啓介さんは,啓介さんのビデオは面接志願だったんです」
「おおおっあのコスプレ,ミニスカナ−スの面接志願水野奈々主演か?」
「しかもそのビデオと一緒に看護婦の制服も隠されていたんです−」
 泣き崩れる拓海
 史紘はかける慰めの言葉も見つけることが出来なかった。
「藤原,写真撮影には気をつけろよ」

 拓海と史紘の受難はまだまだ続く