「WILD WILD WEST」


「ああっもう駄目っやだぁ」
 いやいやと首を振る恋人が愛しくてしょうがない。
 啓介はありったけの思いを込めて恋人を抱きしめた
 そのまま腰の動きを再会する
 ぐちゅぐちゅっっ
 今日,何度も奥に放った啓介の精が蕾から溢れ出していやらしい音を立てている。
「好きだ,拓海,大好きなんだ」
 うわ言のようにつぶやきながら啓介は雄を大きく突き入れた。
「はあぁっふうぅ」
 ごぷっという音が奥から聞こえた気がする
 恋人はあまりの快楽に一瞬意識を飛ばしてしまったらしい。
 うっとりと啓介のもたれかかってくる
 お互いに向き合って座った状態で繋がり会っている
 啓介はそんな恋人をぎゅっと抱きしめた
 ずっとこのままでいたい
 このまま繋がったまま溶けてしまえたらどんなに幸せだろうか
 愛している
 思いのたけを込めてキスを繰り返すと恋人の意識が浮上してきた
 啓介がまだ蕾に埋まったままなのに気がついて真っ赤になる
 そんな姿があまりにも可愛らしくて再度キスをしようと唇を近づけた
 ゴインッ
 あまりの衝撃に啓介はベットに倒れ込む
 マジ痛い
「信じらんねえ,お前彼氏に頭突きかますかよ」
 でこを腫らして悲鳴を上げる啓介を恋人は冷たく一瞥すると体を離れさせた。
「ぁっふうぅ」
 あえやかな吐息と共に蕾から啓介のいちもつが引き抜かれる。
 とろりっと大量の蜜が塞き止められていたらしく放流してきた。
 それにまた真っ赤になる恋人
「信じられないのはあんたの方だろ,5回もやりやがって,牛や馬じゃねえんだから限度考えろよ」
「あ−っ?そりゃあ拓海が悪い,お前可愛すぎるんだもんな,理性ぶっとんじまうぜ」
 痛む額を押さえながら啓介がベットサイドの煙草に火をつける
 ふてぶてしい啓介の態度にあきれた顔をして恋人はバスル−ムに入っていった



 ここだけの話,プロジェクトDのダブルエ−ス,高橋啓介と藤原拓海は恋人同士である
 しかもくっつきたてのほやほや,新婚さん状態なのだ 
拓海は啓介に対して随分前から恋愛感情を自覚していたのだが啓介の方は何故拓海に魅かれるのかわからず右往左往,
結局啓介もこれは恋だということに気がついてラブラブになる筈であった
 好き合っている者同士なのだ,当たり前
 ・・・というほど簡単にはいかないのだ
 何せライバルなこの二人,おおっぴらにいちゃいちゃできないのが辛い所だ
 啓介は今まで藤原拓海なんてアウト オブ 眼中って態度だったから今更どの面さげてみんなにラブラブなんて言えるのか?
 拓海もあまりこの関係をおおやけにしたくなかったのでDのメンバ−には秘密なのだ
 普段いちゃつけないフラストレ−ションが溜まってしまってつい夜が激しくなるのは仕方ないではないか
「ちくしょ−っまだひりひりするぜ」
 啓介がぼんやりバスル−ムに視線を向けながら煙草をふかした
 ここのホテルのバスは透かしガラスではないのが残念
「この高橋啓介がこれだけ好きだっていってやっているのにさ,くそ」
 高橋啓介君の不満はこれなのだ
 自分の気持ちに気がついた啓介は拓海に即効で告白したのだが
 拓海の答えはまだ貰っていない
「嫌いじゃない」
 と言ってもらえたが好きだとは言ってもらっていないのだ。
「でも拓海も俺の事好きだよな,だってエッチしてるんだしさ」
 にへにへにへ,啓介の目尻と鼻がでれえ−んと垂れ下がってしまう
 拓海の事を考えるだけで顔のしまりがなくなってしまうのだ
 今日の拓海もすげえ色っぽかったよな
 最初は後ろから思いっきり
,そのまま2回目  向き合って正常位でやってそのままの流れで騎上位で泣かせた後に対面座位でフィニッシュ
 最後の方は感じすぎて悲鳴を上げていた拓海の痴態が思い出される
 どぽぽぽぽ−っ
「あっやべっ」
 急いでテッシュを鼻につめる啓介
「なんか最近鼻の粘膜弱いのかな?」
 鼻血ばっかりで貧血になりそうだ
 しかも拓海限定の鼻血大放出
 パタン
 ドアが開いて頭をふきながら拓海が戻ってきた
 またまた鼻血を出している啓介に冷たい視線を浴びせると帰り支度を始める
 あわてる啓介
「えっもう変えるのかよ,まだいいじゃんか,なあ,延長してやっからさ,もう少し一緒いようぜ」
「いやだ ,もたもたしてたら啓介さん復活してエッチなことするんだもん お断わりだよ」
 身も蓋もない言葉である
 しかし真実でもある
 一度,拓海が引き留められて残った時には大変だった 
30分で復活した啓介が野獣のように襲いかかってきたのだ
 拓海は一度受けた教訓は決して忘れない賢い男子高校生だったので
それから後はなんと言われようと引き留め工作に乗ろうとはしなかった
「じゃあね,啓介さん,次のミ−ティングで」
 すげなく拓海は部屋を去っていく
「待てよ,っ拓海,っまてってば」
 啓介が慌ててジ−ンズを履こうとするより早く拓海はドアを閉めた。


「ちっくしょ−っっ拓海の意地悪−」
 啓介が吠えるが拓海は出ていってしまった
 がっくりきて啓介は履きかけのジ−ンズそのままベットに倒れ込む
「久しぶりに会えたんだからさ,もっとゆっくりしてけよな」
 そうしたら30分で復活できるのに
 くすんくすんくんくん,
 は−いい香り,拓海の匂いだ
 シ−ツに残った拓身の香りにうっとりしてしまう啓介である
 くんくん,とりあえず匂いで自分を慰めよう
 甘くって柔らかい拓海の香りは啓介を誘ってくる
 どんな香水よりも男をそそる拓海の香り
 うっやべえ,反応しちまった
 まだ30分も立っていないのに啓介の息子はびんびんの状態だ
 これでは牛だ馬だ猿だ猪だと言われても仕方がない
 とほほ,悲しいがこうなってしまっては男の本能に従うしかない
 しゅっしゅっとしごきながら拓海の先程の肢体を頭に描いてみる
「うっ拓海,好きだ,愛しているぜ」
 想像の拓海は従順に啓介へと体を任せる
「好きっ啓介さん」
 想像の拓海に告白された瞬間啓介の雄が大量の液を発射させた
「・・・マジ俺って絶倫かも」
 はあはあと肩で息をしながら後始末する啓介
「・・・むなしい」
 本物の拓海を抱きしめたくて堪らない
「でも平日はあいつ,会ってくれないもんな」
 啓介はしょんぼりとため息をついた

 

 拓海は猛烈に怒っていた
 誰にってもちろん高橋啓介に対してである
「あの−絶倫色ぼけ男」
 5回もやりやがって,人の体の事なんて考えもしない自分勝手な奴
 大体受け入れるこっちがどんなに辛いかなんて分かろうともしない
 ハチロクを猛スピ−ドで運転しながら拓海は悪態をついた。
「あ−っもう腰がたがただよ,明日の体育は休もうっと,これも啓介さんのせいなんだからな」
 啓介さんの馬鹿−っと怒鳴りながらドリフトをかます
 かよいなれた秋名の峠だからこそ集中力ゼロの今の状態でも最高速度でクリア出来るのだ
「もうっ大嫌いなんだから,啓介さんの馬鹿」
 目許が潤んでくる
 よく地面が見えない,これでは事故を起こしてしまう いくらここが秋名でも
 キキキッ
 ハチロクを路肩に止めると拓海はハンドルに顔を伏せた分かっている,
怒っている原因は啓介が絶倫だからとかそういう事では無いのだ
「毎回ホテル誘いやがって,遊びでももう少しスマ−トにやれよな」
 啓介とつき合い出して半年が過ぎた。
 でも拓海はデ−トというものをしたことが無い
 いつもいつも啓介は拓海と会うと食事もそこそこにホテルに連れ込むのだ
 初めは拓海もそんな啓介の情熱が嬉しかった
 求められている証拠だと思ったから
 なのに毎回毎回,というかそれ以外ないのだ
 別に女じゃないんだからディズニ−ランドとかデ−トスポットとか行きたいんじゃない
 二人共車もっているんだからドライブでも構わない
 近所の秋名湖や赤城でもいい
 とにかくコミニケ−ションが絶対的に不足しているのだこれではセックスフレンドと変わりない
 啓介は拓海のことが好きだといったけれど本当なのか不安になるのも仕方ないではないか
 毎回ホテルでエッチばっかり,しかも5回も6回ももう出すだけってくらいに腰ふりやがって
「・・・嫌いだ,啓介さんなんて」
 こんなに拓海は啓介に夢中なのにセックスのことしか頭にない馬鹿男
 でも好きだから断れない
 なんか悲しいかも,拓海はへたりこんでしまった

 

 啓介は苛々しながら課題に取り組んでいた
 ここは大学の自習室
 皆がそんな啓介を遠巻きに見ている
「あら,啓介,また追試なの,相変わらず馬鹿ねえ」
 今の啓介に声をかけられる美香はつわものだ
「ち,美香かよ,勉強の邪魔だ,しっしぃっ」
 犬を追い払うように手をふる啓介を無視して美香は隣に腰掛けた
「それで,恋人とはうまくいっているの?」
「・・・さあな」
 ふくれる啓介の様子から見てあまり順調ではないらしい。
「なによ,情けないわねえ,相談に乗ってあげるわよ」
「・・・別にいい」
 啓介にしては丁重に断ったつもりだが美香は食らいついてくる
「なあに?ついでにその課題も相談に乗ってあげるわよ」
「美香様,よろしくお願いします」
 啓介が美香にきらきら期待の視線を向けた
「これはあれよ,この前の化学式の応用」
 あっというまに問題を解いていく美香は実はこのゼミ一番の秀才であった
「あいつさあ,中々会えないんだよ,忙しいとかいってさ,2週間に一度くれえしか会えないなんて寂しすぎるぜ」
 啓介の相談,それは惚気にしかすぎない
 ふううう−っと大きなため息をついて美香は啓介を慰めた。
「そうなの,それじゃ啓介も相手の子も寂しいわよね,
そういうときはやっぱり体で愛を確かめあうのが一番安心するわよね」
「そうなのか?」
 啓介は拓海と会うとよもう辛抱たまらんっとホテル直行なのだが
「そうよ−,ちょっと情熱的なくらいに求めてきてくれると不安なんてふっとんじゃうわ」
 それはいつもやっている,と啓介は口にしなかったが考えた
 なんだ,俺ちゃんと拓海に満足させてやっているじゃねんか,俺って賢い
「そっか,今晩会うんだよ,ちくしょ−っ今晩はいつも以上にめろめろにしてやるぜ」
 鼻息荒くいきりたつ啓介
「がんばってね,啓介,応援しているわよ」
 にっこりと笑って手をふる美香,完全に美香の遊び道具になっている啓介であった


 さて,場面かわってここはDのミ−ティンング
 ミ−ティングの最中,啓介は最近とても機嫌が悪い。
拓海との関係を隠しているためにおおっぴらに拓海の所有権を主張できないのだ
 こうやってまじまじ見ると拓海は本当に可愛い
その愛らしさの虜になるのは啓介だけではなかったらしく周囲が拓海の動作や表情を伺っているのが分かる
 ちくしょ−っそんないやらしい目で俺の拓海を見るんじゃねえぜっ
 啓介は鋭く回りを威嚇した

  WEST2へ続く