驚愕
幼いころから周囲の人間は彼をジオンの後継者としかみなさなかった。
成長してからも、その枷は怨念のようにまとわりつく。
どんな女と寝ても怨念からは開放されなかった。
女の体内に何度射精しても体の快楽でしかない。
心を許せると思った女がいても、復讐心以上に興奮することは出来なかった。
あの時までは、
アバオアクーでアムロレイと共鳴をしてから彼は変わった。
知ってしまったのだ。
何よりも、復讐心よりも、自分よりも大切な存在があることに。
アムロレイとの共鳴は彼の心を覆した。
彼を捕らえていた復讐心、野望は全てアムロレイによって覆された。
誰よりも深く繋がりあい、感じあうニュータイプとしての共鳴。
昔ララァに感じていた物や、他の女に感じていた感情など偽者なのだと思い知らされる。
共鳴した瞬間、シャアは知ってしまったのだ、
これが人を愛するということなのだと。
シャアにとってそれは初恋も同然のカルチャーショックであった。
すいませんーへたれてる、シャアにとってアムロはファムファタルなのよ、という話