出会って半年、同棲して一ヶ月、
腹の探り合いから始まって監禁やらなんやら紆余曲折を得て、現在は手錠で結ばれている二人。
お互いを知り合う期間?も十分にあった。
お互いの性格を熟知している仲になった。
そして二人は愛し合っている。
「だからそろそろかと思うんです」
Lの言葉に月は即効却下した。
「その愛し合っているというのが間違いだ」
時は深夜、捜査本部ビルの特等室(二人のスイートルーム)で月とLは不毛な言い争いを続けていた。
「月君は監禁した時のショックで記憶障害を起こしてしまっています」
「誰が監禁したんだ?誰が」
「私たちが愛し合っていたという記憶まで忘れてしまったんです」
Lの言うとおり、監禁から解放された月の記憶は所々抜けていた。
普通の記憶はあるが、キラとして活動していた時間の記憶が全て消去されていたのだ。
「出会って一ヶ月目にチューしたのに」
Lが恨めしそうに言うその事実も月は覚えていない。
「チューしてから半年、お預けの状態では私も我慢の限界です」
「・・・・何の我慢だ?」
「正常な18歳男子は週に1回から2回は出さないと病気になってしまいます」
「前から聞きたかったんだけど流河って本当に18歳?」
月がすかさずつっこみに入る。
「月君もしているところを見たことがありません」
「僕は淡白なんだ」
「監視しているときも、監禁している時もこうして手錠で繋がっている今も、月君はマスターベーションも夢精もしていません。これは異常です」
Lは断言した。
「もしかして月君はインッ」
Lはその単語を最後まで言うことが出来なかった。
その瞬間月の拳が飛んできたからだ。
「失礼なっ僕は正常だ」
「ならば正常な証拠を見せてください」
「なんで僕がそんな証明をしなきゃいけないんだっうわっ流河、竜崎、服をひっぱるなって」
「証拠、月君の証拠はどこですか?」
「ズボンを覗き込むなっうわっさわるな」
「月君、可愛いです」
「失礼なことを言うなッ僕は正常(な大きさ)だっやッああっあん」
「月君、可愛い」
「やあっああんっりゅうざきぃ」
こうして初めての夜はなし崩しに始まるのであった。
「大丈夫です。月君、準備は万端ですから」
ハアハアハアッ息を荒くしながらLはそうのたまった。
「あんっ準備?」
Lの執拗?ないたずら?に散々喘がされながら月は首を傾げた。
「はい、この日のために用意したものが役立つ日がきました」
Lはウキウキと枕元から様々なものを取り出す。
「・・・・」
「月君は男の子ですからローションは必要です」
Lが手にしたもの、それはとても怪しげなローションであった。
「ラブローション」と英語で書かれているそれ。
大きく媚薬入りとも英語で書かれている。
「すごいらしいんです、これ」
Lはそれを掌にネローンと出して見せた。
「金箔入りです」
月はLの掌を覗き込んで顔をしかめた。
「それに何か意味があるのか?」
Lは妙にハアハア興奮しながら真剣に答える。
「キラキラしていて興奮します」
「この腐れストーカーがぁ」
その瞬間、月のかかと落としがLににきまった。
「ところで流河、それはどこから手に入れたんだ?」
Lが持っているラブローション、
これはどこから仕入れたのだろうか?
月が疑問に思うのももっともであった。
手錠で繋がれてから24時間行動を共にしているから買いに入ったはずは無い。
通信販売もしていなかった。
ならどこで?
「ワタリにお願いしました」
「ふざけるなぁ」
Lの答えは月の怒髪天をついた。
「ワタリさんに頼んだって?頼んだってことはワタリさんは使用の目的を知っているのか?」
女性相手にこういうものは使わないから・・・
月とLは手錠で繋がれている仲だから・・・・
誰でも考えればおのずと答えは出てくる。
「はい、ワタリには全てを話しています」
Lは胸を張って答えた。
「冗談じゃない、嫌だ。それを使うのは絶対いやだ」
月の絶叫にLは首を傾げた。
「何故これを使うのがいやなんですか?」
「だってそうだろう。恥ずかしいじゃないか」
そういう月は気が付いていない。
恥らう月がどれほど可憐でLを誘っているかなど。
「わかりました」
月の抵抗にLは即効で答えた。
そして突然月の足を大きく抱える。
「なっなにをする?」
「ラブローションを使わないのであれば私が月君を濡らすしかありません」
ウキウキとLは月の足を持ち上げる。
「可愛い、月君のここ」
ベロンッ
「ひいいっやめろっ変態、そんなとこなめるな」
「でも濡らさないと月君が傷ついてしまいます」
「やあっやだっやあっあんっああぁ」
こうして月はLにもてあそばれてしまうのであった・
Lは見かけは蛙のくせに上手だ。
「やあっあんっあああぁ」
とろとろにされてしまい月は激しく屈辱を感じていた。
「あっああっあんっていい加減にしろーっ」
月の頭突きが綺麗にきまった。
「はうっ」
眉間を押さえるLに月は懇々と説教する。
「流河はしつこい、しつこすぎる」
「それは愛ゆえです」
Lは胸を張って断言した。
「愛が私をいきり立たせるのです」
Lの言葉に月は項垂れた。
「そりゃあ僕の身を案じてっていうのは分かるけど、それにしてもなんかストーカーっぽいというか粘着質っていうか・・・・」
流河の気遣いは分かる。
ローションは嫌だという月のため、初めてのそこをほぐそうと努力してくれているのだろう。
でも、でも・・・・
月は項垂れ唇をかんだ。
その時である。
項垂れた月の視線に入ってきたもの。
「ひいいいっ」
月は恐怖のあまり固まった。
「どうしましたか?」
Lはハアハア息を荒くしながら聞いてくる。
「流河、いや、竜崎?その、そこ?」
「はい?」
月の視線はそこに釘付けだ。
そこというのはLのズボン。
それははちきれんばかりに大きく膨らんでいた。
はちきれんばかり?
そうなのだ、普通の男子だったらはちきれんばかりということはありえない。
どんなに興奮しても盛り上がっているというレベルだろう。
なのにLのそこはズボンの布地を引き破らんばかりの勢いであった。
「流河、ズボンに何は仕込んでいるのか?」
月はあまりの出来事に言葉を濁すのを忘れてしまった。
だってそうだろう。
何か仕込んでいないとしたら?
あの盛り上がりが天然のものだとしたら?
「いえ、何もいれていませんが」
Lの言葉に月はプルプルと震えた。
「じゃあ、それは本物なのか?」
「本物?何のことなのですか」
そういいながらLはいそいそとズボンを脱ぎ始めた。
「ひいいいっ」
その瞬間月が見たものは?
大体日本人が理想とする大きさは長さ16、5センチ、太さ4、68センチである。
もちろん仮性包茎や真性包茎は言語道断。
曲がっていたりカリが小さいのも倦厭される。
これ以上小さいとがっかりするサイズは長さ10、4センチ、太さ2、8センチ以下
反対にこれ以上大きいと辛いのが長さ20、6センチ以上、太さ5、87センチ以上、
これは統計学的にも立証された数値である。
月は目の前のLの股間を見て呆然としていた。
「・・・・大きい」
それは今だかつて月が見たことも無い大きさと太さであった。
と言うかこのサイズ、日本人ではありえない。
「やはりLは外人だったのか」
前々から日本人にしては常識が足りないと思っていたのだ。
思わぬところでL外人説を確信した月。
しかし問題はそこでは無い。
ここだ。
月は目の前の膨張したものをじっと見詰めた。
「・・・大きすぎる」
月とて男だ。
ある程度自分のナニには自信を持っている。
(月はちゃんと10、4センチ以上だ)
だけれども、目の前のLは月の自信を打ち崩すかのように隆々と聳え立っている。
「月君、そんなに見詰められると恥ずかしいです」
Lは無表情に頬を染めた。
そして月に手をぐうっと伸ばしてきた。
反射的に月は後ずさる。
「どうしたんですか?月君」
Lは不思議そうに問いかけた。
先ほどまでいい雰囲気だったというのに、今の月からは甘いムードが消えている。
「竜崎、僕は博識だから男同士のやり方も当然知っている。だからここはあえて言おう、お前の大きさは異常だ」
Lはきょとんとした顔で首を傾げた。
「普通ですけど」
「いや、その大きさはすでに凶器だ。悪いけど僕のサイズと竜崎のサイズは合いそうに無い」
きっぱりと断言する月。
月はもう綺麗さっぱりLとエッチする気はうせていた。
だがLはやる気まんまんである。
「大丈夫です、慣らせば上手く入りますから」
Lはいそいそと怪しげなローションを取り出した。
「駄目だ、裂けることは間違いない」
断言する月の言葉にLは肩を落とした。
そういえば、月とベットインする際にワタリから注意されたことを思い出す。
「相手に恐怖感や羞恥を与えないように暗闇で事に及ぶのが賢明かと存じます」
話半分で聞いていたが、これはこういう意味だったのか。
「大丈夫です、電気を消せば大きさは見えませんから」
Lは急いで灯りを消そうとしたが当然月に蹴り倒された。
月はすっかりおかんむりだ。
これはもう今晩は諦めなければいけないだろう。
しょぼん、Lは落胆のあまりしょげかえった。
今日はもう本当にやる気まんまんだったのだ。
この盛り上がった心と股間をどう処理すればいいのだろうか。
Lは月に提案してみた。
「月君、下が駄目なら上のお口でしてもらえませんか?」
その瞬間、月の怒りは爆発した。
「そんな大きさ、僕の口に入るわけないだろう」
それはもっともだ。
Lはますますしょんぼりした。
こんなにしょんぼりしているのに、股間はまだまだ元気ものだから困ってしまう。
「駄目ですか?」
「そんなに大きいものを口に入れたら顎が外れちゃうよ」
「舐めるだけでもいいです」
Lは真剣だった。
だがその言葉でますます月は怒り出してしまう。
「お前にはデリカシーとかムードとかってものが無いのか?そう言う所が嫌なんだ」
男としてのプライドを傷つけられたことと、恥ずかしさから月は完全にキレていた。
「私は月君が大好きです」
嫌いだと怒鳴った月に対してLは無表情に答えた。
「僕は嫌いだ」
「月君が私を嫌いでも私は月君が大好きです」
Lの言葉は率直だ。
月はますます顔をゆで蛸みたいに赤くした。
「ぼ、僕だって竜崎のことは嫌いだけど、そんなに嫌いじゃない時だってあるし、」
「私はどんな月君も大好きです」
「ぼ、僕だって時々、本当にたまにだけど、好きかもって思うときもあるんだ」
どんどん顔を赤くして小声になっていく月はいじっぱりの負けず嫌いだ。
Lは苦笑しながら月に手を伸ばす。
今度は避けられなかった。
「だから私は月君にキスしたいしいっぱい触りたいです」
そう言いながらLは月にべたべた触る。
それにちゅうちゅうとキスされて月は不覚にもぼーっとしてしまった。
「それにやっぱり合体したいです」
ぼーっとしながら合体ってなんだ?と考える月。
何時の間にか頭の上に自分の足がある。
「ちょっちょっと待て、竜崎、L」
「すいません、我慢出来ません」
「わあ、竜崎、流河、L、無理だって、無理、うわあああ」
その瞬間、月は悟った。
人間努力と根性さえあれば不可能は無いのだと。
人間の体は神秘だ。
「全部入りました」
Lの満足そうな声が遠くから聞こえてきたが、月はブラックアウトしてしまった。
「信じられない」
翌日、月は呆然と呟いた。
都内でも最高級ホテルのスイートルーム、
そのキングサイズのベット上で月はぷりぷりと怒っていた。
「この僕が何も覚えていないなんて」
キングサイズのベットにクッションを敷き詰めて、月はだるそうに座っていた。
こうしていても大変痛い。
痛み止めも全然効果無しで月の苛立ちはマックス状態だ。
「・・・屈辱だ」
月がそう思うのも無理は無い。
何せ初めて、お初だったのだから。
可愛い女の子とという夢はLと出会った瞬間に捨てたけれども、それでもお初を覚えていないというのは悔しい。
「すいません」
反対にLは満足そうだ。
かいがいしく月の世話をしながら、誤りながらも鼻の下は50センチ以上伸びている。
「最高の夜でした」
Lは昨晩のことを思い出したのか突然息を荒くして興奮し始めた。
「この腐れ外道がーっ」
月は怒りをLにぶつけたかったが体が動かない。
しょうがないから言葉でねちねちといじめることにする。
「大体なんで僕がお前に抱かれなくちゃいけないんだ、なんでそのことを覚えていないんだ?」
「それは月君が絶頂を極めて失神したからです」
Lの言葉に月は枕をぶつけた。
「なん絶頂って、は?僕がLのナニで?冗談じゃない」
「月君は何を怒っているんですか?」
Lの無頓着な言葉に月は怒りを爆発させまくった。
「何を怒ってるって?当然だろう、僕は初めてだったんだ、なのに何も覚えていないのってどういうことだよ」
湯気を立て怒る月にLの鼻の下はますます伸びる。
「ということは月君は覚えていないことに怒っているんですね」
「・・・うん、まあそうだけど」
Lはこの世で一番幸せそうに無表情に頬を染めた。
「私との初夜を覚えていないことに怒っているのですね」
その瞬間、月は真っ赤になってLを怒付きたおした。
そうだけど、確かにその通りだけど、
「うるさい、リベンジだ、今度こそちゃんと失神したりしないからな」
月の言葉にLは嬉しそうに爪を噛んだ。
「わかりました、ではさっそく今からでも」
Lが月に覆いかぶさってくる。
「ちょっと待て、昨日の今日でそれは早すぎるって、あっああっああんっ」
「月君、大好きです」
どうやら月は墓穴を掘りやすいタイプのようだ。
月が2回目をちゃんと覚えていたかどうかはまた次回のお話。
ちょこちょこ連載していたへたれホモ話、途切れ途切れなSSですまんです