Lはしつこい。
もともと理屈っぽくて粘着質な性格なのだが、Hの時にはそれが倍増する。
体中をべろべろ舐め回し、あちらこちらあますとこなく触りまくる。
長い時間をかけていわゆる前戯をされる。
やられる方はたまったものではない。
その癖妙に言葉が少ないからコミニケーション不足だ。
ライトとLはいわゆるそういう関係になって半年以上すぎている。
キスもセックスも順当に済ませている。
手錠プレイや監禁なんかもしちゃっているちょっとマニアな関係だ。
それでもライトはLの考えていることが全然分からない。
今もそう。普通に夕食を食べてお風呂に入って後は寝るだけなのに突然圧し掛かってきた。
別に興奮する材料など何も無いのに、
「今日はセックスしない」
やる気満々で自分のズボンを下ろしているLにそう断言するとLはえらくショックを受けた顔をした。
「何故ですか?」
「疲れているから」
ライトの言うとおり、Lとライトはキラ捜査の頭脳労働で毎日ハードな生活を送っている。
とてもセックスにまでエネルギーは回らない。
「疲れているときに適度な運動は良いと言います」
「良くない、お前はそう言って昨日も、一昨日もした」
ライトの言うとおり、
Lは何かと理由、屁理屈をつけてライトを押し倒してくる。
Lはライトとエッチするまで諦めないから、結局折れるのはライトだ。
だがそれにも限界がある。
「毎日毎日、サルみたいにやりまくって、人間として恥ずかしくないのか」
せめてセックスは一週間に一度
ライトの提案は却下される。
「毎日でも足りないくらいです。朝も昼も夜もずっと一日中繋がっていたい」
Lは何を想像したのか激しく興奮している。
「それは人間としてどうかと思うけど」
青ざめるライトにLは言う。
「これでも我慢しているんです」
一日3回
それ以上はライトの体に負担が掛かりすぎるから、Lは断腸の思いで耐えているのだ。
「竜崎、確かに僕達は18歳でやりたい盛りだ。木の股を見てもタってしまうといわれている年頃だ」
でもはっきり言おう。
Lのそれは異常だ。
一日3回
一週間で21回。
「僕は付き合いきれない」
ライトがきっぱり言う。
だがLは人の話なんて聞いちゃいない。
「こらっ僕の服を脱がすな、触るな」
「ライト君、可愛い」
べろーんっと胸を舐められてライトは仰け反った。
「ああっやだ」
仰け反る反動を利用してLの股間を蹴り上げた。
「ううっライト君、反則です」
涙ぐみながら股間を押さえるL
「なにが反則だっ僕はいやだって言っただろう」
「でもしたいです」
Lの股間はいつも元気だ。
どんな虐待?にも負けず元気に盛り上がっている。
「自分でしろっ」
「ライト君にいれたいです」
しかも言葉は直球ストレート
ベットにのの字を書きながらすねるLは不気味だ。
カチャリッ 電気を消すと暗闇が広がる
ライトはほっておいて寝ることにした。
1時間後
「ええいっうっとおしい」
カチャリッ電気をつける
まだ同じポーズでのの字を書いているLがそこにいた。
まだうじうじとしているLにライトがキれる。
ちなみに何故ライトがキれるかというと、二人は同じ部屋で生活しているから。
もっと具体的にいえば二人は同じベットで寝ているからである。
これはライトがキラ容疑者だからであって恋人同士だからとかそういうことでは絶対無い。
(とライトは思っている)
「ライト君が冷たい」
「当たり前だ、なんで僕がいちいちお前の性欲処理に付き合わなければいけない」
胸を張って答えるライトはとってもえらそうだ。
「私はライト君が好きです、だからライト君とエッチがしたいんです」
Lはいつでも直球ストレート。
ライトはちょっと顔を赤らめた。
「大体僕達は男同士なんだぞ、お前は僕のことを好きだ好きだというけれど、一体どこが好きなんだ?」
そう、Lはいつもストレートに事実を言ってくる。
だが何故そうなのかは言葉が足りない。
「・・・・」
ライトの言葉にLは頬を赤らめた。
(無表情に)
そしてますますのの字を激しく書いている。
「なんだよ、なに照れているんだ?」
「言ったら怒ります」
「・・・別に怒らないよ」
「絶対怒ります」
「怒らないったら」
言われる前にキれそうだ。
ライトはひきつりながらにっこり笑うとLの鼻頭にちゅっとキスしてやった。
「ほら、言ってごらん」
「本当に怒りませんか?」
「しつこいな、言ったら口にもキスしてやるから」
そう言うとパアッと顔を赤らめて無表情にLは喜んだ。
「私がライト君の好きなところは」
「好きなところは?」
「わがままなところです」
ガツッ
「怒らないって言ったじゃないですか」
ライトの決め技を顎に食らってLはひっくり返った。
「殴らないとは言っていない」
殴るほうも拳は痛いんだ。
ライトは手を擦りながらにっこりと微笑む。
「それから?」
「・・・え?」
「他にもあるだろう、僕の好きなところが」
「・・・いったら絶対殴ります」
「殴らないって」
ええいしつこいこのカエルめ。
全部吐けと言わんばかりにLに詰め寄るライトは相当怖い。
「・・・L」
「いっ言います。全部白状します」
Lは無表情に青ざめながら告白した。
「私がライト君の好きなところは」
「うん」
「綺麗なところです」
なんだ顔に惚れたのか。
ライトにはありふれたことだ。
つまらなそうな顔をするライトにLは続ける。
「頭のいいところも好きです」
なにを言っている。
Lだって僕と同じくらい、いや僕以上に頭がいいじゃないか。
自画自賛しているのか?いやなカエルめ。
ムッとするライト
「傲慢なところも好きです」
「僕のどこが傲慢なんだ?」
怒るライトにLが体を摺り寄せてくる。
「プライドの高いところも好きです」
こういう時Lの動作は素早い
あっという間にライトはベットの上に転がされてしまった。
「感じやすい体も好きです」
「やあっはあ」
どうしてこうなるんだろう。
何時の間にかLの手はパジャマの中に入ってきてライトの体を弄っている。
「ああ、やだぁ」
胸をれろれろと舐めまわされるともう駄目だ。
抵抗できなくなってしまう。
このままLの手管に乗ってしまうのが悔しい。
屈辱だ。
「どうせお前は僕の体が目的なんだろう」
Lは無表情に微笑んだ。
「すねているところも好きです」
そして腰をごりごり押し付けながらカエル翻訳された甘い言葉を囁いてくる。
「いじっぱりで素直になれなくて」
「やだっんっああっ」
「だけど触るだけでトロトロになって」
「んっりゅうざきぃ」
「私にメロメロなところが大好きです」
腰をぐいぐい押し付けながらLは荒い息の下、睦言らしきことを言っている。
腹が立つけれどそれに感じてしまって今日も3回するはめになってしまった。
くたくたに疲れて指一本動かせない僕をタオルでLはふいている。
なんだか妙に幸せそうで腹が立つ。
蹴り飛ばしてやりたいけれど足一本動かせないから、口で抗議するしかない。
「竜崎は言葉が足りなすぎるんだ」
「そうですか?」
指を咥えてきょとんとするカエルに僕は説教してあげる。
「もっとコミニケーションが必要だよ、人間なんだから口にしないと相手に伝わらないことだってあるんだ」
コンピューターじゃないんだから。
僕がそう言うとLはますますきょとんとした。
「私は言ってもらったことがありません」
「なにが?」
「ライト君は私のどこが好きなんですか?」
Lの言葉に僕は不覚にも真っ赤になった。
「なっなにを?」
「ライト君は私とエッチしてくれます。いっぱい感じてくれるので私のことが好きなのだと分かって嬉しいです」
でもライト君は私のどこが好きなんですか?
カエルのアホ面でそんなことを聞いてくる。
あれだけ頭がいいのに。
推理力は世界一なのに。
三大探偵のくせにそんなことも分からないのか?
「はあっ」
僕は大きくため息をつくと仕方ないから教えてやることにした。
「竜崎が僕にメロメロなところは嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃないということは好きだということですか?」
首をかしげてLが聞いてくる。
やっぱりLはカエルだ。
日本語が通じないらしい。
僕は間抜けな顔をしているLに僕はキスをしてあげた。
口で言っても分からないならボディランゲージしかないのだから、と心の中で言い訳しながら