夜神 月、その完璧なまでの美貌と美しい肢体、中性的でありながら人を惹きつける魔力を持ちえた存在。
それに人間が魅かれるのは当然であろう。
しかし月に魅かれるのは人間だけでは無い。
リュークを初めとする死神、魔物、魑魅怨霊の類も月を狙っていた。
月の美しさと清純さに導かれ、手に入れたいと渇望している。
だが彼らは人間界のものに手を触れることは許されない。
地上に降り、月と契約を交わしたリューク以外は。
深夜、月は一人机に向かい明日の予習をしていた。
リュークは夜の散歩に出かけている。
久しぶりに一人きりの夜だった。
静まり返った室内、
家族は皆寝ているらしく物音一つしない。
カリカリカリッ
月がペンを走らせている音だけが聞こえる。
そんな音に混じって闇からざわめきが聞こえてきた。
ズルッズズッ
集中している月は気がつかない。
闇は月の座っている机の下から聞こえてくる。
ズルルッグチュッ
何かの這いずるような音、粘った虫のざわめき、
「?」
何かが足に触れた?
月が気がついたのは爪先を何かが掠めたからであった。
初めは虫かと思った。
月は怪訝に思い机の下を除きこむ。
「気のせいかな」
そこには何も無かった。
椅子を引いて再度勉強に集中しようとした。
「ひっ」
また何かが足を掠めた。
気持ち悪い。
月は立ち上がろうとして次の瞬間動けなくなった。
何かが足を這いずりあがってくる。
細い管のような物、否、生きているなにか。
それが数本、ジーンズの裾から入ってきたのだ。
「うわっなに?」
サナダムシのように細く長い、うねうねとした生き物が爪先から這い上がってくる。
ジーンズと身体の間を蠢くその感触に月は鳥肌を立てた。
「いやっ」
あまりの気持ち悪さに月は悲鳴を上げた。
結構大きい声だったのに誰も起きてこない。
隣の部屋の妹も、一階で寝ている両親も熟睡しているのだろうか?
月は机の下を覗き込み、またも悲鳴を上げた。
さっき見たときには何も無かったのに、そこにはうねうねと触手が無数に蠢いていたのだ。
それは机の下の闇から湧き出ている。
ようやく月はこの事態の異常さに気がついた。
これは人間の世界の生き物では無い。
死神達が月に触れるために、その触手を伸ばしてきたのだ。
人間界に降りれない自分達に変わって使役を使い、月を蹂躙しようとしている。
「やあぁっ」
足に絡み付いている触手が這い上がってくる。
ねばついたそれは月の太股を撫でるように這い回る。
「ひいっあっやあぁ」
触手の一本が下着の中に入り込んできた。
ぐちゅっぐちゅりっ
それは月の果実に絡みつき蠕動する。
月は急いで服を脱ごうとした。
だがその動きを咎めるかのように数本の触手が続いて下着の中にもぐりこんでくる。
何本もの触手が月の果実にまとわりつき淫猥な動きをする。
クチュリッズルッ
触手の動きは的確であった。
月の性感を刺激するかのように果実をしごきあげる。
すでに無数の触手が月の下着の中で蠢いていた。
プツリッ
一本が先端を撫でるように触ってきた。
「あああぁっんっ」
グチュリッ
いやらしい音をたててそれは月の中に入り込んでくる。
尿道を犯すそれはピストン運動の様な動きをしながら月の内部を掻き回す。
「やあぁっあうっ」
悲鳴を上げているというのに誰も起きてこない。
死神達の魔術にかかったかのように家人は眠らされている。
今、月を助けてくれる者は誰もいない。
「あっふうぅっんっ」
後ろの蕾にも触手が伸ばされてきた。
プツッズルッ
濡れた音と共に何本もの触手が蕾を犯してきた。
「あうっいやぁったすけて」
月は耐え切れずリュークの名前を呼んだ。
だが聞こえてくるのは触手の蠢く音のみ。
ぐちゅぐちゅという淫猥な音が月を狂わせる。
「はああっあっああぁ」
触手が月の秘めた快感を引きずり出す。
蕾の奥、前立腺を触手は突いてきた。
「あんっやあぁ、あっ」
突き刺すように、時には撫でるように、何本もの触手が月を貶める。
果実に絡んだ触手は月の精液を搾り出すように蠢いた。
果実に潜り込んでいる触手は蕾の触手と動きをあわせるかのように抜き差しを繰り返す。
「ああ、いいっ気持ちいいよぉ」
何時の間にか月は腰を振りあえぎ声を上げてた。
服は少しも乱れていない。
だがその下は無数の触手によって犯されている。
倒錯した快感が月の欲望を煽り立てていた。
「ああっいいっすごい」
月は服の上から己のモノを撫で回した。
すでに先走りの蜜で濡れ始め下着はいやらしい染みが出来ている。
月は震える手で前を開いた。
「んっはあぁっ」
下着の隙間から指を入れると触手が絡み付いてくる。
月が自慰を始めると触手はその動きを助けるかのようにざわめいた。
「あんっイきたいっもう」
その瞬間、蕾の触手は最奥を激しく掻き回してきた。
果実を塞いでいた触手はずるりと抜かれ、その蜜をすするかのように先端を蠢いている。
「あうっんっんっ」
月は仰け反って激しく腰を振るわせた。
絶頂の快楽で月はしばらく放心していたらしい。
気がつくと無数の触手は消え去っていた。
部屋はこうこうと明るく、先ほどの淫靡な空間はどこにも無い。
リュークが帰ってくる前にと月は急いで着替えながら大きくため息をついた。
「癖になったらどうしよう?」
確かにとても気持ちよかったけれども、普通のに満足出来なくなりそうでいやだなと呟く月は気持ちよければ細かい事は気にしない快楽主義者であった。
ごめん、下品で(汗)