「ライトの苦悩、 ストーカー国際編2」


「あなた。綺麗な骨格をしているのね」
 ライトの顔を両手で挟みこんでウエディは魅力的な笑みを浮かべた。
「だけど眉毛の処理がなっていないわ、それに手入れもしていないようね」
「・・・はあ?」
「若いからって奢っていては駄目よ。紫外線ケアは10代から始めないと意味がないんだから」
 ウエディはシャネルのスーツケースから何やらボックスを取り出した。
 コラーゲン、コエンザイムQ10、ビタミン各種、アミノ酸からイソフラボン、システイン。その他もろもろ、カルニチンまで取り揃えている。
「私があなたをもっと美しく変身させてあげる。大丈夫、私に任せて」
 サングラス越しにウエディの目が熱く語ってくる。
 何を?何をなんだ?
 硬直する捜査陣と月の目の前でボックスから基礎化粧品を取り出すウエディ
「私の職業は泥棒、でも副業でメイクアップアーティストも兼ねているの」
 藤原美○子も私の弟子なのよ。
 ウエディはうきうきと月の顔を分析していく。
「理想的な肌ね、肌理細やかでしっとりとしているわ」
 今のままでも十分だけど、もっと綺麗になれるわよ。
「いや、僕は男ですから」
 月の言葉にウエディは嘆かわしいといった顔をした。
「男の子だって美しくなる権利はあるのよ。お姉さんに任せて」
 後ずさる月にウエディはにっこりと微笑んだ。
「私、綺麗な男の子大好きなの」
じりじりとにじり寄るウエディ
「ひいいっ」
 月は助けを求めてLとアイバーに目を向けた。
「ライト君が綺麗になるのなら私は協力を惜しみません」
 L?何を言っているんだ?
「ウエディ、ミイも協力するぜ」
 アイバー?何を爽やかに言っているんだ?
「さすがウエディお姉さま、ミサミサもライトにメイクしてみたかったのよ」
 ミサ、いきなり沸いて出てきて何を言っているんだ?
 おののく月に捜査陣の言葉が聞こえる。
「ライト君がもっと綺麗になったら。職場が潤いますよね」
「このビル、建物が大きいだけに寂しい感じでしたけど、問題は解決だな」
 驚愕する月にウエディが妙な機械を手に迫ってくる。
「まずは毛穴の処理からよ」
 ガガガガガッ奇怪な音を立てる機械
「ひいいいいっ」


 カリスマメークアップアーティストの指導を受けた月はどう磨かれていくのか?
 それは次回のお楽しみ