「ライトの苦悩 捜査本部編2」


 キラ捜査本部の一員である松田は悩んでいた。
 悩みの原因は夜神 月。
 夜神本部長の息子さんで18歳の大学生。
 前から綺麗な子だなという認識はあったのだけれども。
「最近のライト君はなんというか、とても・・・」
 おかんっぽい。
「いいなあ」
 松田は月を思い出してにへらっと笑った。
 前は綺麗だけど冷たい感じで近寄りにくかった月がとても身近に思える。
 Lに対する月のおかんっぷりは松田の心をときめかしてしまう。
 東北出身の松田の理想女性像は色白で綺麗な美人、だけど世話好きで気の強いお母さんタイプ。
「ライト君、ぴったりだ」
 こうなるとLの立場が羨ましい。
「僕もライト君に世話をやいてほしい」
 松田の悩みはそこであった。
 しかしいい年の男がLと同じ態度を取れるわけが無い。
 でも月にはかまってもらいたい。
「やっぱり頼りなさをアピールするべきかな」
 松田は捜査とは全く別のことで頭を使うのであった。


 しかし、月のおかんっぷりに惚れていたのは松田だけではなかった。
「ライト君、いいぜ」
 男気一本相澤は胸をときめかしていた。
 初めて会ったときは美人だけど冷たくてお高いいやなガキだと思っていた夜神 月。
 だかLに対する月のおかんっぷりは相澤の好みにジャストヒットしていた。
 九州出身の相澤は亭主関白な性格である。
 もちろん理想の女性像は亭主関白な自分を支えてくれる世話好きでちょっと気の強い茶髪の美人。
「ぴったりだ、ライト君」
 今はLに独占されている月だが
「ここは俺の男らしさをライト君にアピールするべきだな」
 頼りない男よりも頼もしい亭主関白な相澤にライト君は魅力を感じるはず。きっとそうだ。
 こうして相澤はキラ逮捕とは別のことで頭を使うのであった。


 もちろんライトは捜査本部の皆さんの思惑など全然分かっておらず今日もかいがいしくLの世話を焼いている。
 


捜査本部で真面目にキラ逮捕に全力を注いでいるのは実は本部長だけかもしれないというお話でした。