「ライトの苦悩、page34投身」

 監禁状態に置かれた月は両手両足を拘束され、更に目隠しをされた。
 五感を全て遮断するためにヘッドフォンも取り付けられる。
(こんなことで僕が根を上げるとでも思っているのか、見くびられたものだ)
 ライトがそう心の中で笑ったときであった。
 ヘッドフォンからLの声が聞こえた。
「ライト君はLが好き、ライト君はLが好き」
(なんだっこれは)
 驚愕する月の耳元でLの声が聞こえてくる。
「ライト君はLを愛している、ライト君はLを愛している、ライト君はLを愛している、」
(ひいいっ)
 ライトは心の中で絶叫した。
 まさかこれは催眠暗示。
 これを一日中、寝ている間も聞かせ続けて暗示にかけようというのか。
(いや、待て、これはLの作戦だ。一見馬鹿馬鹿しく思えてもきっと裏があるに違いない)
「ライト君とLは両思い、ライト君とLは両思い、」
 ヘッドフォンからは呪文のようにぶつぶつとLの声が聞こえてくる。
(惑わされてはいけない、ここで根を上げたらLの思うつぼだ)
 この暗示にかかってしまったらホモ街道まっしぐら。
 しかも相手は爬虫類L
「いやだあぁーっ」
 

 3日後、
 想像以上に憔悴した月の姿に捜査陣は息を飲んだ。
「一体どんな監禁をしているんだ、Lは」
 それはヘッドフォンを聞いている月にしか分からない。