「Lの秘密 page34投身の2」

「弥、眠ってしまう前の話の続きを真面目にしましょう。夜神月を知っているか?何故彼に近づいた?数回に渡り彼と会っていることは事実、知らないで通す気か?」
 Lは追求の手を休めない。
「えっ?自分のカレシ知らないわけないでしょ」
 その瞬間、Lの瞳孔がぐわっと見開いた。
「夜神君のカレシは私だけです」
「なっなによ、ストーカーのくせに生意気よ」
 ミサも負けていない。
 両手両足を拘束され目隠しをされた監禁状態でありながら食って掛かる。
「ライトがかっこよくて頭いいから嫉妬しているんでしょ、あなたなんてライトには絶対かなわないんだからね」
 弥はあれだけ黙秘を続けていたというのに、ライトをあっさりと彼氏と認めた。
「ライト君が可憐で可愛らしいのは私が一番知っています」
「分かったわ、あなたライトに横恋慕しているんでしょ、なによ。変態、ホモ」
「ホモじゃありません、ライト君専門です」
 人はそれをホモと呼ぶ。
 捜査陣に沈黙が走った。
「ライト君の恋人は私だけです。弥海砂、あなたは遊ばれただけです」
「ライトはホモじゃないもん、ミサとラブラブなんだからね」
「ライト君は私との禁断の愛に怯えていただけです」
 だから弥海砂とのことは本気ではない。
 Lは断言した。
「ライト君と私の愛は性別も超えるのです」
「ホモのくせに何語っているのよっこの変態」
「私が変態なのはライト君に対してだけです」
・・不毛な言い争いだ。
「どうなっているんだ」
 松田がぼそりと呟いた。
 捜査は本筋を大きく外れているような気がする。
「ライト君のことは諦めなさい、弥海砂、あなたは利用されただけですから」
「なによっじゃあライトに聞いてみればいいのよ、ミサと変態どっちが好きかって」
 ミサは自信満々である。
 そりゃあそうだ。
 可愛くてナイスバディのモデルミサミサと変態ストーカー。
 ミサの勝利は目前である。
 ピピピッ
 その瞬間、Lの携帯が鳴った。
「ライト君からです」
 Lは嬉々として携帯を取り上げた。
「・・・・・はい、・・・・はい・・・・はい・・・・はい・・・はい」
 Lはなにやら話し込んでいる。
「わかりました。ではKの2802号室で待っています」
 電話が終わるとLはにっこりと無表情に笑いミサに告げた。
「ライト君は今から私に会いに来るそうです」
 可愛いですね。
 自慢げに勝利宣言をするL
「ちょっちょっとどういうことよっ」
「私に会えないのが寂しいらしく落ち込んだ声でした。では私はこれからライト君とデートをしてきます」
 後の捜査はお願いします、とだけ言うとLはうきうきと立ち上がった。
「ちょっと待ちなさいよ、変態、どこいくのよ」
「Kの2802号室、二人だけのスイートルームです」
 捜査本部の置かれている2801号室のお隣、そこは新婚さん専用の超デラックススイートルームであった。
「そこでライトに何するつもりなのよっこの拘束を外しなさいよ、ライトに手を出したら承知しないんだからね。変態っヘンタイー」
 ブツッそこでLはモニターの電源を切った。
「では後のことは頼みます」
 Lがうきうきと出て行った後、残された捜査陣は呆然と立ち竦んだ。
「ライト、まさかLと付きあっていただなんて」
 苦悩の表情で倒れこむ夜神局長。
 松田と相沢はあまりの展開になぐさめの言葉をかけることが出来なかった。


              続く