[番外編 松田の受難」 

 

 

松田は悩んでいた。
 最近Lの態度がおかしいような気がするのだ。
 相澤さんたちに相談してみたが彼等にこぞって言われた。
「気のせいだろ、松田も疲れているんだよ」
 だから被害妄想に陥りやすいんだ。
 そう言われて一度は納得したのだが。
 

「ライト君、捜査しにいきましょう」
 今日もLは月を誘っている。
「いやだよ、Lは相澤さんといけばいいじゃないか」
「ライト君と青山にいきたいんです」
 Lが食い下がる。
 無表情だがなにやらすねているようだ。
「青山の捜査は終わったよ。僕と松田さんでいってきたからね」
 そっけない月。
 Lはしきりに貧乏揺すりをしている。
「次の捜査は私と組みましょう」
「いやだ」
 月は即答した。
「なぜです」
「Lと捜査なんて目立ちすぎるからいやだ」
「・・・ライト君」
 無表情なのに悲しそうなLだ
「それに松田さんと捜査するほうがいいよ」
 月は松田を見てにっこりと笑った。
「・・・なぜです?」
 Lは爪をがりがり噛みながらぼそぼそと呟いた。
「知りたい?」
「はい」
「教えない」
 月は天使のような笑みを浮かべて高笑いした。
 い、意地悪だぞ、月君。
「私も月君とデートがしたい」
「だからデートじゃなくて捜査なんだよ」
 そうなのだ。
 青山での捜査の後、月と松田との捜査の報告をした。
 ちゃんとした捜査報告もしたのだが。
「青山で食べたランチ、美味しかったですね、松田さん」
  とか
「次はあの店のランチいきましょうね、松田さん」
 とか
「松田さんが気さくな人で楽しかった」
 とか
「一緒に捜査したことで松田さんに親近感が沸きました」
 とか月君が言うものだから。
「私も月君とデートがしたい」
「松田さんとでなきゃいやだ」
 Lは無表情だがキッと松田を睨み付けた。
「松田さんに月君は渡しません」
「だから捜査だって」
 月君、完全に遊んでいるな。
 だがそのせいで松田はLに嫉妬の視線を向けられている。
「竜崎、誤解なんだ、本当に月君とは捜査だけだったんだ」
 焦る松田の前で月がにっこりと地雷を落とす。
「松田さん、とっても優しかったです」
(捜査で)
ああ、月君、可愛い。赤くなる松田・・・
 Lが無表情で嫉妬の視線を向けてくる。
怨念のこもった恨みがましい視線・・・
(何故?捜査をしただけでこんな目に)
 松田は痛む胃を抑えながら自分の不幸をなげくのであった。


  月は松田のアイドルっという設定が好きだ。今度そのねた書きたいな。