宇宙暦797年、7月末
イゼルローンとハイネセンの中間に位置する惑星シャンプール
クーデター戦力に占拠されたここを放置することは後方を撹乱され、イゼルローンとの連絡補給を絶たれる危険性を残すことになる。
それを考慮したヤンはシェーンコップに制圧を命じた。
シェーンコップの電撃作戦によりシャンプールはわずか3日で陥落した。
ムライ、パトリチョフ、そしてヤン艦隊のメンバーは唖然としていた。
「ごくろうさま・・?」
「いや、まあこれくらいの役得が無いとねえ」
シェーンコップはにやにや笑いながら顎をさする。
「役得?」
全員が首を捻る。
シェーンコップの擦っている顎は真っ赤に腫れあがっている。
どう見ても殴られた跡だが・・・・
数時間前
電撃作戦によりシャンプールはわずか3日で陥落したシェーンコップはいそいそと愛しいヤン提督の下へ馳せ参じた。
「さあ、提督、あなたのためにがんばった騎士にご褒美を頂けますね」
暑苦しい顔で迫ってくるシェーンコップ
「ご褒美?」
昇進でもしろと言うのか?
首を捻るヤンに唇を近づけるシェーンコップ
「勝利のナイトには女神のキスがなによりの褒美ですよ」
寒い、寒すぎる。
うちゅーっと唇を突き出すシェーンコップの顎にめずらしくヤンの鉄拳がヒットした。
「まあこれも恥ずかしがり屋の恋人を持った役得、愛の痛みってやつですかね」
顎をさすりながらにやにやするシェーンコップは相当気持ち悪い
「・・・マゾ?」
「・・・・そういう趣味?」
「ボディビルダーってその手の趣味の人多いんだって」
「偏見だろ、それは」
「でも殴られて喜んでいるぞ」
ひそひそ噂するメンバーの前でシェーンコップはにやにや顎を擦り続けるのであった。