「LOST11」
「アッテンボロー、会いたいよ」
ヤンは心の中で呟く。
しかし今日の夜は誘われていない。
用事があるからと言っていたアッテンボローに聞くことは出来ない。
何の用事なのか。
誰と会っているのか。
そんな事を聞いたら嫉妬深い奴だと愛想をつかされるかもしれない。
嫌われるくらいなら黙っている方がいい。
切ない気持を押し殺してヤンはため息をついた。
アッテンボローにとってその晩は最高であった。
士官学校一の美女クリスティーナと二度目のデート。
二学年上の彼女は妖艶な美女だ。
軍人にするのはもったいないレベルの彼女から直々に声をかけられアッテンボローは浮かれていた。
一番良い服を着込みいそいそデートに出かける。
奮発してテルヌーゼンでも一流の高級レストランとホテルを用意した。
夜は楽しかった。
才媛と名高いクリスティーナとの会話は弾んだし彼女は夜の誘いにも応じてきた。
男遊びが派手だと聞いていたが噂どおり。
何時もと違う遊びのセックスはアッテンボローを興奮させた。
最近ヤンばかりを抱いていて物足りなかったのかもしれない。
ヤンとのセックスは楽しいがいかんせん彼は初心者だ。
アッテンボローが初めての男。
女も抱いたことが無いヤン。
教え込む楽しみはあるがたまにこうして美女にリードされるセックスも悪くない。
そう言えば先輩とのデートにこんな高級ホテルを使ったことが無いな。
自分の上に跨り腰を振るクリスティーナを眺めながらふと頭に過ぎる。
何時も安いラブホテルとそこらへんのレストランだった。
たまにこういう所に連れてきてやったら喜ぶかな。
「アッテンボローっ他所の事考えないでよ、失礼ね」
セックスの最中、心ここにあらずのアッテンボローに叱責が飛んだ。
こういう時女の勘は鋭い。
アッテンボローは苦笑しながら誤った。
同時に腰を動かし彼女を満足させる。
「いいわ、ダスティ、あなたとっても素敵よ」
クリスティーナはすぐにアッテンボローの巧みなセックスに夢中となった。