「LOST7」


唇を割られ噛みつくように舌を絡めてくる。
 こんなに情熱的な口付けは初めてだった。
 否、どんな口付けもアッテンボローが初めての相手だ。
 触れるようなキスも、激しい口付けも、身体を触られるのも、身体を開くのも、セックスも、
 人を好きだと言うのも、
 人に好きだと言われるのも。
 全てダスティ アッテンボローが初めての相手だ。
「震えていますね、怖いですか?」
 シャツを脱ぎながらアッテンボローがやんちゃな瞳で問いかける。
 ベットに座ったままヤンは首を振った。
 怖くないと言えば嘘になるけれど、アッテンボローとだったら我慢出来る。
 怖いと思うよりこの後輩の情熱に答えたい。
 相手の望む事をしてやりたい。
 なんでそこまで思うのだろう ふと考えヤンは小さく微笑んだ。
 なんでってそんな事決まっているからじゃないか。
 自分は、ヤンはアッテンボローの事が好きなのだ。
 頭の回転が速いやんちゃな悪戯っ子の後輩を好きになってしまったから彼の望みは何でもかなえてやりたいのだ。
「どうしたんです?先輩」
 突然笑みを浮かべたヤンにアッテンボローが問いかけてくる。
 ヤンは微笑みながら答えた。
「好きだよ、アッテンボロー」
 真摯な告白。
「俺もですよ」
 アッテンボローはいそいそとズボンを脱ぐとヤンをベットに押し倒した。
「優しくしますから、力抜いて」
「うん・・・私は・・その・・初めてだから上手くいかないかもしれないけど」
「大丈夫、俺がリードしますから」
 言葉の通りアッテンボローは上手だった。
 キスを繰り返しながら腰を押し付けてくる。
 ペニス同士を擦りつけ快感を伝えてくる。
「あっんっああぁ」
 初めて他人と触れ合う感触に竦むヤンを宥めてアッテンボローは腰を動かした。
「先輩も動いて、そうすればもっと気持ちいい」
「うんっはあぁっあっ」
 アッテンボローの男に擦られヤンは呆気なく達した。
 弾けた精液を指で掬いアッテンボローはヤンの後蕾をほぐしていく。
「駄目、そんなところ汚い」
「汚くなんてありませんよ。今からここに俺のを入れるんですから」
 悪戯っ子の様に目を輝かせてアッテンボローは指を動かした。
「痛いっ痛いよっああぁ」
「痛いだけじゃないでしょう。気持いいでしょう」
 その証拠に先輩のだってもう立っているじゃないですか。
 意地悪く爪先で震えるヤンの果実を弾く。
「でも今度は先にイッたら駄目ですよ。次は一緒に」