「LOST9」


 セックスには相性がある。
 男だと軽く見ていたが実際寝てみるとヤンの身体はどんな女よりも具合が良かった。
 締め付けは最高。入り口はきついのに奥に突き入れるとうねる様に絡み付いてくる。
 邪魔なコンドームは必要無い。
 男の癖に白くて触り心地の良い肌。
 餅肌というのかしっとりと手に吸い付いてくる。
 華奢な腰は男を感じさせない。
 胸が無いのは残念だが小さい乳首を吸うと赤く色づき立ち上がってくる。
 なによりも相手が自分に夢中なのがアッテンボローの気を良くした。
 あれから何度も身体を重ねた。
 学校で人の目を盗んで、出先のラブホテルで。
 公園の草陰で弄りあったこともある。
 始め恥ずかしがって抵抗していたヤンだが最後には興奮して腰を振っていた。
 アッテンボローが望むなら何でも許してくれる。
 好意を向けられる事に慣れているアッテンボローでもヤンからの一途な愛情は気持ちいい。
 優越感を感じる。
 さえない先輩が実はこんな絶品の身体を持っている。
 知っているのは自分だけ。
 最初は暇つぶしだった。
 少しからかって終わるつもりだった。
 男同士で恋愛など考えられない。
 でも、もう少し付き合ってもいいかも。
 ヤンを抱くようになって考えは変わった。
 遊びで付き合うには男は具合がいい。
 セックスの最中 妊娠の心配無く思い切り無茶出来る。
 中出しもやりたい放題。
 なによりも女の様に独占してこない。
 うっとおしく絡み付いてこない。
 すぐに別れる気であったがその考えはもう思いもしない。
 アッテンボローはヤンと別れる気は無くなった。
ヤンは四年生になりアッテンボローも二年生に進学した。
 知り合って半年。
セックスするようになって一ヶ月
 今が一番盛り上がる時期だ。
 アッテンボローはヤンにはまっていた。
 だからと言って他の女の子と遊ぶのはやめなかった。 
 ヤンと付き合いだしてから自分で女に声をかける事は無くなったが誘われれば断らない。
 美女が、可愛い女の子がせっかく声をかけてくれるのに断ったらもったいない。
 据え膳食わぬは男の恥 
 夜の街で声をかけられたら一夜の情事くらいは楽しむ。
 これは別に浮気では無い。
 男として当然の事だ。
 確かにヤンと付き合っているが所詮男同士。
 操立てなど思いもしなかった。
 だがそれを知られたらやっかいな事になる。
 そこらへんは聡いアッテンボロー、ヤンにはばれぬ様上手く立ち回っているつもりだ。
 しかしアッテンボローは自分で思うよりも有名人であった。
 上級生からもアッテンボローは注目されている。
 二年主席、少々反抗的だが教授の覚えも良い。
 特に艦隊運用のシュミレーションは四年のワイドホーンと肩を並べるとさえ言われている。
 アッテンボローのご乱行は本人が認識しているよりもずっと皆に知られていたのだ。